職場でのハラスメントの実態とは?「上司からのパワハラ」が最多の結果に…【第1弾】

ハラスメントは、相手の意に反する不適切な言動によって、不快な思いをさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたりする行為です。

悪気があるかどうかではなく、相手がどう受け止めたか、社会的・客観的に見て不適切かどうかが判断基準になります。

今回は、20代以上の男女400名を対象に、「職場でのハラスメント」に関するアンケートを実施しました。

このページでは、アンケート結果をもとに、職場でのハラスメントの実態や企業での取り組みについて解説していきます。

アンケート調査結果

・回答者の7割以上が職場でハラスメントを受けたことがある

・最も多いハラスメントは「パワハラ」

・52.50%が「上司」からハラスメントを受けたと回答

・ハラスメント対策が行われている企業は34.25%

・「ハラスメントを恐れて指導を避けるべきではない」という声も

アンケート調査概要

調査期間 2026年1月9日~2026年1月23日
調査対象 クラウドワークスに登録している20代以上の男女
有効回答数 400件
調査方法 クラウドワークスによるインターネット調査

目次

回答者の7割以上が職場でハラスメントを受けたことがある

職場でハラスメントを受けたことがありますか?

 

 

「職場でハラスメントを受けたことがありますか?」という質問に対し、78.50%が「ある」と回答しました。

回答者の7割以上がハラスメントを経験していることから、職場におけるハラスメントは極めて日常的に起こり得る問題であることがわかります。

また、年代ごとに職場でハラスメントを受けたことがある方の割合を調査したところ、50代が85.96%と最も多い結果となりました。

さらに、性別ごとでは女性が79.49%、男性が76.36%でした。

では、職場で発生するハラスメントの種類について、見ていきましょう。

最も多いハラスメントは「パワハラ」 

職場で受けたことのあるハラスメントをすべて選んでください。

アンケートの調査結果によると、職場で受けたことのあるハラスメントにおいて、最も多かった回答は「パワハラ(253件)」でした。

つまり、職場でのハラスメント経験がある方の約80%がパワハラを受けたことがあるということです。

また、いまだ根強く残っている「セクハラ(74件)」や社会問題化している「カスハラ(53件)」も、労働者にとって大きな脅威となっています。

さらに、ハラスメント問題は、現代においてますます注目されており、新しいハラスメントが次々に登場しています。

気づかないうちに自分自身がハラスメントの加害者になっていないか、今一度自身の言動を振り返ってみましょう。

新しいハラスメントとは?

今日、働き方や人間関係が多様化している中で、新しいハラスメントが静かに広がってきていることをご存じでしょうか?

職場におけるハラスメントといえば、パワハラやセクハラが中心でしたが、最近ではより巧妙で見えにくいものへと変化しています。

【新しいハラスメントの一例】

・ロジハラ(ロジカルハラスメント)

正論や論理的な言葉によって、相手の感情を否定したり、追い詰めたりする行為

・スメハラ(スメルハラスメント)

体臭や香水などの強いにおいを発することで、周囲にストレスや苦痛を与える行為

・フキハラ(不機嫌ハラスメント)

不機嫌な態度を取り続けることで、周囲に心理的な圧力や不快感を与える行為

・ホワハラ(ホワイトハラスメント)

上司が部下に対し、過剰に配慮することで成長機会を奪う行為

・ハラハラ(ハラスメントハラスメント)

上司からの正当な指導や注意を「ハラスメントだ」と過剰に主張し、相手を萎縮させる行為

52.50%が「上司」からハラスメントを受けたと回答

職場で受けたハラスメントの行為者はどなたですか?

「職場で受けたハラスメントの行為者はどなたですか?」という質問に対し、52.50%が「上司」と回答しました。

この結果から、ハラスメントの多くが職務上の地位や優位性を背景に発生していることが明らかになりました。

一方で、「部下(7件)」からの逆ハラスメントも見受けられ、あらゆる人間関係の歪みからハラスメントが生じていることがわかります。

実際にあった職場でのハラスメントエピソード

ご自身や身近な人が受けた職場でのハラスメントで解決したエピソード、または解決しなかったエピソードがあれば教えてください。

ここでは、実際にあった職場でのハラスメントエピソードをいくつか紹介していきます。

【解決したエピソード】

・支払いを滞納している顧客がいて、催促の電話をしたところ逆切れされてしまい、「常連だから無料にしろ!」「油売ってる暇があったら仕事しろ!」など暴言を浴びせられました。この時は上司に報告して警察と弁護士に介入してもらい解決しました。(30代男性)

・以前いた部署の上司が、髪型とか服装とか体型についていちいちコメントしてくる人で本当に嫌でした。先輩の女性社員に相談したら、その人が上司にさりげなく注意してくれてピタッと止まりました。やっぱり同性の先輩の存在は大きかったです。(20代女性)

・上司からの過度な叱責に対し、感情的に反論せず、事実関係をログに残して社内のコンプライアンス窓口へ通報しました。窓口が機能し、該当上司への厳重注意と部署異動が行われたことで沈静化しました。個人の資質に頼らず、組織の自浄作用を利用することが解決の鍵だと実感しました。(40代男性)

・現在の小規模な職場では、取引先からの理不尽な要求(カスハラ)があった際、代表がすぐに「社員を守る」と毅然とした対応をとって取引を停止してくれたことで解決しました。経営層の姿勢ひとつで安心感が全く違うと実感しました。(40代女性)

・以前の職場で、業務量の偏りや強い言い方によりストレスを感じている同僚がいました。本人が上司に相談したことで業務配分が見直され、コミュニケーションの取り方も改善されました。早めに相談できたことで大きな問題にならず、職場環境が良くなったと感じています。(20代男性)

【解決しなかったエピソード】

・元上司からは話し方が気に入らないと言う理由で口調・性格へのダメだし、残業・休日出勤の強要、有給申請時に圧力を掛けてくる、休日返上でゴルフコンペへの強制参加などを受けた。残業やコンペ参加に関しては事前にできないことを伝えても、「俺が若いころは」という持論を持ち出され一切聞き入れてもらえなかった。ハラスメントをしてきた上司より上の役職に相談してみたが、異動や配置換えは認められず解決しなかった為転職した。(30代男性)

・気分によって態度が変わる方がいます。ポジティブな時は人当たりがよくて問題ないのですが、機嫌が悪い時はグサッとくるようなことをズバズバ言って傷つくことが稀にあります。頭の回転が早く、何を言っても論破されてしまうのでほとんど泣き寝入りです。(30代女性)

・前の会社を上司のパワハラで退職したのですが、上司の上司にパワハラの件を相談しました。上司の上司は話を聞いてくれてすぐに対応すると約束してくれたのですが何も行動してくれなくて解決しませんでした。(40代男性)

・妊娠した際に、産休中の同僚が復帰するより前に私が産休に入ることになってしまい、もう少しタイミング考えられなかったのか?と言われ、それが上司だったので誰にも相談できなかった。(30代女性)

・上司からの度重なる高圧的な言動や人格否定が続き、改善を求めて相談もしたが状況は変わらなかった。精神的な負担が大きく、これ以上続けるのは難しいと判断して退職した。(30代女性)

・現在進行系で電子タバコを吸っている同僚がいる。その電子タバコの臭いがやたらきつく、外で喫煙していても本人とそのカバンから異様な柑橘臭が残り続けている。また呼吸障害でも抱えているのか排気音の様な呼吸音・独り言を常に話し続けて騒音問題にもなった。上司もその問題を認識していたらしいが一年以上放置していたらしく解決の目処が立たない。(30代男性)

ハラスメントを受けた場合、相談するのは「家族」

職場でハラスメントを受けた場合、誰に相談しますか?

「職場でハラスメントを受けた場合、誰に相談しますか?」という質問に対し、最も多かった回答は「家族(166件)」でした。

一方で、組織的な相談相手となる「社内の相談窓口」や「人事」は、10〜20%程度にとどまっています。

「社内で相談しても解決しないのでは」「かえって立場が悪くなるかもしれない」といった不安が、公的な窓口へのハードルを上げている可能性があります。

さらに、「誰にも相談しない」と回答した方は、全体の14.75%でした。

声を上げることができない被害者の存在は、組織として深刻に受け止めるべき問題でしょう。

ハラスメント対策が行われている企業は34.25%

ご自身の職場で、ハラスメント対策は行われていますか?

職場でハラスメント対策が行われていると回答した方は、34.25%でした。

このことから、ハラスメントに関する法整備が進んでいる現代においても、組織的な対策が十分に浸透していないことが読み取れます。

たとえ企業側が対策を行っていたとしても、労働者に周知されていなければ、いざという時に機能しません。

職場でどんなハラスメント対策が行われているか、しっかりと把握しておきましょう。

職場でのハラスメント対策は「相談窓口の設置」が最多

職場で行われているハラスメント対策を具体的に教えてください。

職場で行われているハラスメント対策で最も多かった回答は「相談窓口の設置(61件)」で、「研修・教育の実施(44件)」「アンケート・面接の実施(10件)」と続きました。

窓口や研修といった「形」としての対策は進んでいるものの、実際にハラスメントが発生した際の迅速な対応や正当な処分、風土そのものを変えるような根本的な解決策については、模索段階の企業が多いでしょう。

もちろん、新たなハラスメントの発生を防ぐことも大切ですが、すでに発生しているハラスメントに対する適切な対応も、社員を守る上で必要になってきます。

ハラスメントをなくすには「職場環境を改善すべき」

職場でのハラスメントをなくすにはどのような工夫や対策が必要だと思いますか?

「職場でのハラスメントをなくすにはどのような工夫や対策が必要だと思いますか?」という質問に対し、17.00%が「職場環境を改善する」と回答しました。

職場環境とは、設備などの物理的な空間だけでなく、人間関係や福利厚生などの労働条件を含めたすべての環境を表します。

ハラスメントは、個人の性格や資質の問題として片付けられることがありますが、実際は「職場環境」が引き金になっているケースが非常に多いです。

そのため、職場環境の改善はハラスメントを減らすための根本的で効果的な施策だと言えます。

「ハラスメントを恐れて指導を避けるべきではない」という声も

ご自身が指導を受ける側の立場だった場合、ハラスメントを意識するあまりに指導ができない「物言わぬ上司」について、あなたの考えをお聞かせください。

「ご自身が指導を受ける側の立場だった場合、ハラスメントを意識するあまりに指導ができない「物言わぬ上司」について、あなたの考えをお聞かせください。」という質問に対し、最も多かった回答は「指導は上司の責務のため、避けるべきではない(84件)」でした。

この結果から、部下側の多くは「ハラスメントを恐れて何も言わないこと」を優しさとは捉えず、むしろ上司としての責任を果たしてほしいと考えていることがわかります。

また、指導そのものを拒絶しているのではなく、指導方法や関係性を重視している回答も多く集まりました。

ハラスメントを恐れるあまりコミュニケーションを放棄するのではなく、双方が納得できる「適切な伝え方」を模索し、信頼関係を築くことこそが、健全な職場環境づくりの第一歩と言えるでしょう。

まとめ

今回のアンケートでは、20代以上の男女400名を対象に、職場でのハラスメントの実態や企業での取り組みについて調査しました。

ハラスメントの問題は、単に加害者だけが悪いわけではありません。

職場の誰もが「嫌なことは嫌だ」と言えず、互いの信頼が損なわれている組織全体もまた、問題を悪化させる要因の一つです。

仕事をするうえで、それがどんな立場であろうと、互いの尊厳を守るための最低限の配慮は必要になります。

誰もが自分らしく、安心して働ける社会を実現するためにも、被害者のプライバシーを守りつつ、組織全体で課題と向き合っていく姿勢が重要となるでしょう。

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