本記事では米国株の見通しについて解説します。
本記事の内容:
米国株投資を検討中の方向け
- 米国株の見通しが明るい2つの理由
- 短期的に暴落する可能性が高い理由【過去チャートを見つつ解説】
- 暴落に備える方法を解説
最近は米国株に手軽に投資できる環境が整いつつあり、投資を検討する方が非常に多いです。
…投資する前に気になるのはアメリカの「今後の見通し」ですよね。
結論から言うと、長期的には米国株の見通しは「明るい」と判断しています。
ただし短期的には暴落の可能性もあるので安易に集中投資すると痛い目を見るかも…。
過去チャートを見ながら長期的な見通しが明るい理由、短期的には暴落が怖い理由を解説します。
これから米国株投資を始める方には特に参考になる内容ですので、ぜひ最後までじっくりとご覧ください。
タップできる目次
米国株の見通しが明るい2つの理由
大きな2つの理由です!
2つの理由:
- アメリカ経済は長期的に右肩上がり
- AI関連市場の拡大
アメリカ経済は長期的に右肩上がり
米国株の見通しが明るい最大の理由は「アメリカ経済は常に右肩上がりに成長している」こと。
これはアメリカ経済を象徴するS&P500(アメリカ大企業500銘柄からなる株価指数)のチャートを見ると一目瞭然です。
▼S&P500チャート
上記のとおり短期的に暴落はありつつも右肩上がりに成長してることが分かりますよね。
さらにS&P500に加えて、現在のアメリカは、、
- 先進国の中でも唯一、今後も人口増加が見込まれる
- GDP世界1位
- 失業率4%を下回る
今後の見通しも明るいと言えるでしょう。
人口が増えるとモノが売れ、モノが売れると給料が上がり経済発展につながります。
AI関連企業の拡大「GAFA」
さらに見通しが明るいもう1つの理由は「AI関連企業の拡大」で、特に注目したいのはGAFAの存在です。
GAFAとは以下4社の頭文字を取った呼び名:
- Amazon
- Apple
上記のとおり世界のAI市場をリードする4社は全てアメリカの企業。
そして、AI市場規模は、今後も大きく拡大すると予想されています。
▼AI市場規模
- 2016年:6.4億ドル
- 2025年(予想):368億ドル
市場規模が拡大すれば、もちろん企業の株価も上昇しますよね。
上記の事実からもアメリカの経済発展はほぼ間違いない…!?
ただし!冒頭いったとおり短期的には暴落する可能性が高いと見てます。
この点を暴落の歴史を見ながら解説していきます。
過去30年チャートを分析【暴落の歴史】
まず結論から言うと、「米国株は一定間隔で大きな暴落が起きている」という事実があります。
▼S&P500チャート
過去30年の暴落の歴史を時系列で整理すると、
- 1987年:ブラックマンデー
- 2000年:ITバブル崩壊
- 2008年:リーマンショック
ざっくりですが、過去30年では約10年周期で暴落が起きています。
そして、前回のリーマンショックからは既に10年経ちました…。
参考までに過去30年に起きた暴落を紹介します。
1987年:ブラックマンデー
約30年前の1987年、ニューヨーク株式市場で史上最大の暴落が起こりました。月曜日に起こったのでブラックマンデーと呼ばれています。
当時、ダウ平均の下落率は22.6%を記録し、これは1929年世界大恐慌の下落率の12.8%を大きく上回っています。
ブラックマンデーは様々な要因が複合的に絡み合い発生したとされています。
(単純なアメリカ経済悪化(貿易赤字・財政赤字)が原因だとか、西ドイツの利上げがルーブル合意が破綻していた、など。)
そして、株価の下落をストップさせるために、FRBは7.25%から6.5%まで金利を引き下げ市場に大量の資金を供給しました。
さらに市場の混乱を収束する為に「サーキットブレーカー制度」という短時間で急落・急上昇した場合は一定時間取引ができない冷却時間を設ける制度が導入されるなど、ブラックマンデーは米国株市場に大きな爪痕を残した出来事として有名です。
2000年:ITバブル崩壊
つづいてITバブル崩壊。
これは1995年のWindows95発売をキッカケにコンピュータやソフトウェア関連企業の株価が爆発的に上昇(実態を伴わない株価上昇)し、2000年にピークを迎えて株価が一気に暴落した事象のこと。
まさにバブル崩壊ですね。
さらに追い打ちをかけるように2001年9月11日「アメリカ世界貿易センター同時多発テロ」が起きて、S&P500は歴史的な大暴落となりました…。
ちなみに、FRBは政策金利を引き下げる金融緩和政策を取り、株価の下落を止めようとしましたが、2003年のイラク戦争まで下落は続きます。
2008年:リーマンショック
リーマンショックは聞いたことがあると思いますが、2008年アメリカの大手証券会社リーマンブラザーズが経営破綻したことに端を発した世界的な金融危機のこと。
サブプライムローンとは、「返済能力が低い人も借りられる住宅ローンで、家を手放す(銀行に渡す)ことでローンが無くなる」というもの。
当時のアメリカは住宅価格がずっと上昇し続けていたので、住宅ローンの貸し手は金利を得つつ、一定期間経つと住宅を手に入れることが出来て、まさにウハウハな状態だったのですが、、、
- ローン利用者がもともと返済能力が低いためローン返済が滞る
- 住宅供給過多となり不動産価値が暴落
上記によりローン引き受けの筆頭だったリーマン・ブラザーズは6130億ドル(約60兆円)の負債を負い倒産した、というわけです。
長期チャートのまとめ【特徴と傾向】
ここまでの内容をまとめると、下記の通り。
- 米国株は長期的に右肩上がりで成長が期待できる。
- ただし10年に1度の周期で暴落する。
- 前回の暴落からは既に10年以上が経過している
米国株投資は短期的には暴落の危険があることは頭に置いておきましょう。
暴落の兆候「逆イールド」は既に発生している
逆イールドとは:
短期金利>長期金利の状態を指し、不景気の予兆。
景気が悪化し株価の下落により、よりリスクが少なく利回りが高いアメリカの長期国債を投資家がこぞって買うことで、長期国債の値上がりが起こり利回りが低くなる。
さらに政策金利を上げることにより短期金利>長期金利の構図が早まる。
2019年10月現在の米国債の利回りは以下のようになっています。
▼米国債の利回り
債券名称 | 価格 | 利回り |
米国債3ヶ月 | 1.63 | 1.66% |
米国債2年 | 99.82 | 1.59% |
米国債5年 | 99.74 | 1.55% |
米国債10年 | 99.06 | 1.73% |
米国債30年 | 101.22 | 2.19% |
短期と長期の金利差はだいたい10年と2年で見ていきます。
現時点の金利差は、1.73%-1.59%=0.14%で長期金利が高い状態。
そして過去の歴史より、逆イールドが起こってから景気後退までの期間は約1年~2年。
▼過去30年の逆イールドと景気後退期(リセッション)突入までの期間
- 1988年12月発生⇒1年7ヶ月後リセッション(湾岸戦争)
- 1998年5月発生⇒2年10か月後リセッション(ITバブル崩壊)
- 2005年12月発生⇒2年後リセッション(リーマンショック)
このことから2020年~2021年には株価の暴落がある可能性が高いと見てます。
というコトで暴落は割と近い将来起こるものとして認識しておきましょう…!
米国株の暴落に備える方法は?
暴落が起こったときに保有している現物に対していつでもリスクヘッジをできるようにすることが大切です。
リスクヘッジとは起こりうるリスクの程度を予測して、リスクに対応できる体制を取って備えることです。
例えば、資産運用において、現物(株式など)を買い付けると同時に、先物市場で同量の売り注文を出して、現物の値下がりが続きそうなときに、先物市場で先に売ったものを安く買い戻せば、現物取引で生じた損失をカバーできます。
引用:SMBC日興証券
リスクヘッジとはおおまかに以下の2つの方法があります。
- 現物損失のカバー
- 現物のマイナス分をショート(売り)することで±0にする
株価の暴落時・下落トレンドの時にはこのリスクヘッジが自分の資産を守ることにつながります。
暴落中であってもショート(売り)をすることで利益を出し、さらに再投資することで現物の価格が戻ったとき・高騰した時には今以上の利益を出す事ができるのです。
現物投資なら暴落時も耐えて、買い増しすれば資産が大きく増やせますので、いまは全力投資をせずに、手元に余裕資金を残して暴落時に備えておくのも重要と思いますよ。
予め手段を決めておくと焦らず行動できますので、事前に暴落が起きたらどうするか、考えておきましょう…!
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まとめ:米国株の見通しは明るい!ただし短期的には暴落の可能性あり
本記事では米国株投資の見通しを解説しました。
米国株投資は、世界最強のアメリカ経済に投資して長期的に経済成長の恩恵を受け取り続けられます。
数々の暴落を乗り越えて依然右肩上がりの経済成長を続けるアメリカですから、次に来る暴落も必ず乗り越えて成長してくれるでしょう…!
暴落時は必ずリスクヘッジをとり、さらにはバーゲンセールだと割り切って買い増しするのも一つの手だと考えています。
米国株投資は長期投資なので、暴落で落ち込むよりもどうやって資産を増やしていくか目標をしっかりと定めておきましょう。
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