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中古物件はリフォームも含めて住宅ローンは組めるのか

中古物件を購入するとき、リフォーム費用を自己資金ではなく、借入でまかなおうと考えている場合、できるだけ金利が低い住宅ローンで借りたいものです。

リフォーム費用を含めて住宅ローンを借りるコツを紹介します。

中古住宅購入資金とリフォーム費用

中古住宅を購入する場合、お風呂やキッチンと言った水回り、内装の壁、床の張替えなど リフォームが必要になる事が多く、その分、費用がかかってきてしまいます。

そのリフォーム費用を自己資金で負担するのではなく、借入でまかなう場合にリフォームローンというものがあり、 そのほかにも中古住宅など土地付建物を購入する場合に、本人または家族が居住する住宅であれば住宅ローンを組むことができることになっています。

住宅ローンは奨学金を除けば、ローンの中でもっとも金利が低いローンです。

その金利が低い理由として、居住する土地建物を担保にするので、返済されなくてもその土地建物を売却して返済に充てることができる有担保であるからです。

返済できないと居住する家がなくなってしまうことから本人が一番困るため住宅ローンの返済を最優先にすることも考えられます。そのため、返済されないリスクが低く、金利が低くなっています。

現在変動金利なら0.5%前後35年の固定金利でも1.5%前後で借りることが可能です。

金利は、収入や担保価値に関係なく概ね一定です。

一方、リフォームローンはその通りリフォームにかかる費用に対するローンですが、無担保で借りることになります。

住宅ローンと異なり、担保がないので、銀行にとっては、返済されなければその資金を回収できる可能性が小さく、その分リスクは高くなります。

そうしたことから、住宅ローンより金利が高いと言えるでしょう。

現在変動金利で1~3%と、担保がない分借りる方の職業や収入状況によって適用金利が変わります。住宅ローンのように担保価値評価が不要である分、審査結果は早く出るのが特徴です。

住宅ローンとリフォームローン
住宅ローン リフォームローン
金利 低い 高い
担保 あり なし
審査 1か月程度かかる 早い
借入金額1,000万円のときの支払利息 適用金利0.5%(35年)906,083円 適用金利2%(10年)1,041,614円
※住宅ローンには、このほかに契約時に融資手数料、保証料、印紙代等がかかります。

リフォームにかかるリフォームローンと住宅購入にかかる住宅ローンを2つ借りることになれば、それぞれにその手数料がかかることになります。

また、リフォーム費用のローンは金利が高く、返済期間も短期となります。さらには、住宅ローンとリフォーム費用の返済が2本立てになり、毎月の返済負担が大きくなります。

そこで、リフォーム費用を住宅ローンに含めて借りることができれば、支払利息の負担も地小さくなり、融資に係る手数料も最小限に抑えられ、毎月の返済負担を軽減することができます。

中古住宅を購入し、リフォームする場合には、住宅ローンとリフォームローンを2本借りるという手もありますが、リフォームローンの金利の高さと返済期間の短さを考慮すると、リフォーム費用を含めた金額で住宅ローンを借りるのが一番お得でしょう。

リフォーム費用を含めて借りる住宅ローンを「リフォーム一体型住宅ローン」といいます。

ではリフォーム一体型住宅ローンについて、詳しく確認してきましょう。

リフォーム一体型住宅ローンとは?

リフォーム一体型住宅ローンとは、リフォーム費用と中古住宅購入代金セットで住宅ローンの借入の対象とできるローンです。

リフォーム一体型住宅ローンのメリット

①リフォーム費用も含めて低金利で借りられる
②毎月の返済金額を抑えられる
③融資にかかる手数料が1本で済む

リフォーム一体型住宅ローンを取り扱う銀行は、主にイオン銀行、みずほ銀行、りそな銀行、新生銀行の他、フラット35など固定金利を中心とした商品を扱うARUHIがあります。

日本は住宅購入を新築で購入する人が多く、中古住宅の購入割合が低いことからも、全銀行がこのリフォーム一体型住宅ローンを取り扱っているわけではありません。

このリフォーム一体型住宅ローンを申し込みたいと考えている場合は、上記のような取扱金融機関で住宅ローンの申し込みをする必要があります。

また、リフォーム一体型住宅ローンは、通常の流れで中古住宅を申し込むと借りることができません。次に紹介するポイントに注意して中古住宅の購入を決める必要があります。

中古住宅を購入するときの住宅ローン申し込み時のポイント

リフォーム費用を含めて住宅ローンを借りるには、以下のポイントに注意する必要があります。

中古住宅を購入するときの住宅ローン申し込み時のポイント

①住宅ローンはリフォーム一体型住宅ローンを組むことで、支払利息と事務手数料の軽減を図る
②リフォーム会社から先に探し、すぐに見積もりをつくれるようにしておく
多めに借りる

新築ではなく、中古住宅も視野に入れて物件探しをしている場合には、良い物件を見つけてしまうと、中古物件は立地や建物状況から見て一期一会であることから早めに抑えておきたいと考えるでしょう。

その場合、以下のような流れとなります。

中古物件探しの流れ

①中古住宅の購入を決める
②中古住宅申し込み、住宅ローンの申し込み・審査
③リフォーム会社と打ち合わせ、見積もり、リフォームローン申し込み

中古住宅の申し込みと同時に住宅ローンを申し込みます。そのときに、リフォーム会社が決まっておらず、見積もりができなければリフォームにかかる借りたい金額もわからず、住宅ローンにその費用を含めることはできません。

一方、リフォーム会社がすでに決まっている場合は以下の流れとなります。

リフォーム会社が決まっている場合の流れ

①リフォーム会社決定
②中古住宅の購入決める
③中古住宅の契約、リフォーム会社の見積もり、住宅ローン申し込み

中古住宅の契約時の住宅ローン申し込みのときに、既にリフォーム会社と大まかな見積もりが決まっていれば借入金額も決まるので、住宅ローンにリフォーム費用を含むことが可能になります。

 条件を満たせば住宅ローン減税を受けることもできる

住宅ローン減税制度とは、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、要件を満たす住宅を新築、購入またはリフォームを行い、 住宅ローンの借入れを行った場合に、年末における住宅ローン残高の0.7%の所得税、所得税で控除しきれない場合は9.75万円または前年の所得税の課税所得金額の5%の小さいほうの金額を限度とする住民税を減税する制度です。

例えば、3,000万円を年率0.5%で借入期間35年のローンで借りた場合、当初10年間で約199万円の減税を受けることができます。

①年末住宅ローン残高の0.7%分の所得税が還付、所得税で控除しきれない場合は9.75万円または前年の所得税の課税所得金額の5%の小さいほうの金額を限度とする住民税を減税
②合計所得金額が2,000万円以下
③住宅ローンの借入が10年以上
④対象住宅 ・自ら居住する住宅であること
・床面積50㎡以上
・中古住宅の場合新耐震基準を有していること
・増改築等の場合工事費が100万円以上であること
・住宅の床面積が50㎡以上で床面積の2分の1以上が居住用
(合計所得金額1,000万円以下なら、床面積40以上50㎡未満でも適用可)

この住宅ローン減税は、中古住宅を借入金額で購入、リフォームしたときにも受けることができます。ただし、以下の①または②の条件のいずれかを満たす必要があるので注意しましょう。

■中古住宅の条件>いずれかを満たしていることが必要

・昭和57年以後に建築された住宅

・昭和56年以前に建築された住宅で適用を受ける場合には、「耐震基準適合証明書」等の提出が必要

<耐震基準適合証明書>

建物の耐震性が建築基準法に定められた耐震基準を満たしているか証明する証明書です。自動的には発行されないため、申請が必要で、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、建築士事務所の建築士、住宅瑕疵担保責任保険法人のいずれかによる検査後、発行となります。購入時耐震基準を満たしていない場合には、耐震工事が必要です。

耐震工事をすることは費用がかかりますが、中古住宅でも安全性が確保され、地震保険料が割安になったり、住宅ローン金利が優遇されたりすることがあります。

⑤限度額、控除期間は住宅の種類別

2023年購入・新築限度額と控除期間
住宅の種類 限度額 控除期間
認定住宅等の新築、建売住宅購入 5,000万円 13年間
ZEH水準省エネ住宅の新築、建売住宅購入 4,500万円 13年間
省エネ基準適合住宅の新築、建売住宅購入 4,000万円 13年間
上記以外の住宅の新築、建売住宅購入 3,000万円 13年間
中古の認定住宅等の購入、リフォーム 3,000万円 10年間
上記以外の中古住宅の購入、リフォーム 2,000万円 10年間

中古住宅の住宅ローン減税が適用される借入限度額は、新築に比べると低くなってしまいます。

例えば、認定住宅等の新築であれば5,000万円まで適用されますが、中古の認定住宅等の場合3,000万円になります。

当初の借入金額が3,000万円であれば特に関係ありませんが、3,000万円を超えるときは借入限度額が大きい方が有利になります。

例えば、住宅ローン4,000万円で中古住宅を購入したときには、3,000万円の借入金に対してしか住宅ローン減税が適用されません。

リフォームされている買取再販住宅の購入がおすすめ

日本は中古より新築、建売住宅が人気であり、その購入価格も材料や部材費用の高騰も相まって右肩上がりです。そのため、中古住宅は割安な価格で購入することができます。

ただ、中古住宅は住宅ローン減税が適用される借入限度額が新築に比べて少なくなり、控除期間も13年から10年と短くなってしまうので理解しておきましょう。

しかし、買取再販住宅は新築と同じ金額の借入限度額と控除期間になります。

買取再販住宅とは、中古住宅を宅地建物取引業者が買取り、自らリフォームして、その中古住宅を宅地建物取引業者から買う場合の中古住宅をいいます。

通常の中古住宅であれば、認定住宅等で借入限度額3,000万円、控除期間10年ですが、買取再販住宅なら借入限度額は5,000万円で控除期間は13年です。

もし借入金が5,000万円(35年ローン)なら、減税額が199万円から371万円まで適用できるようになります。

中古住宅を選ぶメリットは?

中古住宅を購入する際には、まずリフォーム会社を選定しておくのが必要です。

そして、リフォーム費用を含めて借りる場合には、できるだけリフォーム一体型住宅ローンで借りて、支払利息と毎月の返済額を軽減するのがおすすめです。

住宅ローン減税を受けるためには、築年数が古い場合には検査費用、場合によっては耐震工事などが必要になることも頭に入れておきましょう。

加えて、中古住宅の購入にはその建物状況について、購入後何か問題が起こらないよう購入前に住宅診断をしておくと安心です。

売主に住宅診断を行いたい旨を購入申し込み時に伝え、図面や現地調査をもとにリフォームや補修の有無を調べてもらうのが得策です。不動産会社自体が既に調査済みであることもありますが、第三者にお願いして診断することで、購入後に問題が起きないように防ぐことができるでしょう。

中古住宅の場合は新築住宅と異なり、建物の現状などの判断が必要で、場合によっては補修工事が必要になります。

ある程度の手間は必要になるものの、リフォーム等すれば新築と変わらないところまでにすることも可能です。

そして、中古住宅の一番のメリットは、価格が安いことです。

日本では新築購入する割合が非常に高くなっており、中古住宅は割安に購入することができるようになっています。土地の部分の価格は年数がたっても変わりませんが、建物部分は年数がたつと1/2以下程度までと非常に安くなってしまうものの、もとの建築方法をしっかりしていれば長く住み続けることは可能です。

購入価格が安く済めば、住宅ローンの借入金額も少なくて済みます

住宅ローンは審査が通り借りることができても、返済は長期にわたりそのほかの使いたい資金を圧迫してしまいます。住宅ローンの返済で貯蓄がなかなかたまらず、老後資金が少なくなってしまったということもあります。

中古住宅で借入金額が少なく住めば、住宅ローン返済に縛られず豊かな生活を送ることができるでしょう。

一方、中古住宅はその建物価格が下がっている分担保価値も下がっており、住宅ローンの借入が希望通りの金額を借りられない可能性があります。

担保評価に対して借入金額が大きければ、本人の収入状況や自己資金の割合を重点的に審査されることがあるので注意しましょう。

また、築年数が古い住宅は価格が安くても、修繕費が大幅にかかる可能性があるため、リフォーム費用の見積もりをしてから購入を考えてみるのも方法です。

中古物件には安く購入できること、リフォームをしっかりと行えば長く住み続けられることのメリットもあれば、リフォーム代がかさみ思っていたよりも金額がかかるデメリットもあります。

購入するときはリフォームの見積もりと購入価格を合わせて、納得がいく金額なのかを確認しておきましょう。

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