審査通したい方向け銀行 

住宅ローンの疾病保障にはどんな種類がある?保障をつけるメリット・デメリットを解説

住宅ローンは返済期間が長く、30年や35年といった期間が普通です。

そのため、35歳で35年ローンを組むと完済する頃には70歳を迎えています。

当然、人間は年齢が上がるにつれて病気のリスクが高くなるので、住宅ローンの返済中に病気や事故などによって働けなくなるケースが考えられます。

そうなったときに不安となるのが、残された家族と家のローン残金です。

支払っている住宅ローンが自分に死亡や高度障害状態があったことで、支払いができず、家族が家を手放さなければいけないことになったり、負担が大きすぎて困らせてしまったりするのは本意ではないでしょう。

そこでそんな、万が一の事態を想定して用意されているのが疾病保障です。

病気で働けなくなった時に、保険料が支払われたり、住宅ローンの残高が半分やゼロになったりといった保障が受けられます。

そして、疾病保障には実はたくさんの種類があります。

当然、保障内容が異なるので、自分に合ったものを選ぶ必要があるのです。

そこで本記事では、疾病保障の種類について解説します。

また、疾病保障を利用するメリットとデメリットについてもお話するので、これから住宅ローンを組む予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

住宅ローン団信のなかで疾病保障があるものの種類

住宅ローンには、契約者に万が一の事態が起こり死亡したり、所定の高度障害になったりししたとき、保険会社から保険金が支払われる「団体信用生命保険(団信)」という保障が付帯されています。

そして、団信に特約を追加して保障の幅を広げるものとして「がん保障」などの疾病保障があります。

その種類は多岐にわたり、それぞれ保障内容が異なります。

では、疾病保障にはどのような種類があるのか見ていきましょう。

がん保障

1つ目の疾病保障は「がん保障」です。

医師によって所定のがんと診断されたときに保険金が支払われる特約で、住宅ローン残高が半分になる「50%保障」と、全額が保障される「100%保障」があります。

例えば、ソニー銀行の「がん団信プラス」であれば金利に0.1%上乗せするだけで、所定の悪性新生物(がん)と診断されたら住宅ローンがゼロになります。

日本人の死因の上位を占めている病気ががんなので、追加する人が多い疾病保障です。

生活習慣病団信

2つ目の疾病保障は「生活習慣病団信」です。

住宅ローンの返済期間中に契約者が生活習慣病を発病し、その疾病の治療を目的とした入院が必要になった時に保険料が支払われます。

例えばソニー銀行では、次の10種類の病気を生活習慣病としています。

ソニー銀行が定めている生活習慣病

①悪性新生物(皮膚のその他の悪性新生物)
②上皮内新生物
③糖尿病
④心疾患(急性心筋梗塞を含む)
⑤高血圧性疾患
⑥大動脈瘤および解離
⑦脳血管疾患(脳卒中を含む)
⑧腎疾患
⑨肝疾患
⑩慢性膵炎

3大疾病特約

3つ目の疾病保障は「3大疾病特約」です。

3大疾病特約とは、日本人の死因で上位を占めているがん、急性心筋梗塞、脳卒中を保障する疾病保障になります。

どの3大疾病特約でも、がんと診断されれば住宅ローン残高がゼロになるのです。

それに対して急性心筋梗塞と脳卒中は、病気になって入院・手術を受けただけで保障する銀行と、就業不能状態など重篤な症状が一定期間続いてはじめて保障する銀行があります。

8大疾病特約

4つ目の疾病保障は「8大疾病特約」です。

疾病特約には7大疾病特約という保障があり、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、高血圧症、糖尿病、腎疾患、肝疾患を保障します。

そして、8大疾病特約とは7大疾病に慢性膵炎(すいえん)を含めた保障です。

がんと診断されれば、住宅ローン残高はゼロになります。

その他の病気の保障内容については、銀行によって異なります。

11疾病団信

5つ目の疾病保障は「11疾病団信」です。

11疾病団信とは、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、高血圧症、糖尿病、腎疾患、肝疾患、慢性膵炎という8大疾病に、大動脈瘤および解離、上皮内新生物、悪性黒色腫以外の皮膚がんを加えた保障になります。

こちらもがんと診断されれば、住宅ローン残高はゼロになり、その他の病気の保障内容については、銀行によって異なります。

ワイド団信

6つ目の疾病保障は「ワイド団信」です。

現在病気にかかっていたり過去に病歴があったりして、一般団信に加入できない場合に利用できるのがワイド団信になります。

あくまでも加入条件を広くして利用できる人を増やしているだけなので、保障内容は一般団信と同じです。

一般団信に加入できないなか、加入できるようになっているため、上乗せ金利がつくものと考えて置いた方が良いでしょう。

全疾病保障団信

7つ目の疾病保障は「全疾病保障団信」です。

全ての病気・ケガが対象となっている団信で、就業不能状態になると毎月の返済が免除され、さらに一定期間働けない状態が続くと住宅ローン残高がゼロになります。

ただし、精神障害は支払い対象外となっている銀行が大半です。

疾病保障のある住宅ローンを利用するメリット

万が一を考えると、加入しておいた方が良い疾病保障ですが、病気やケガなどをしなければ無駄になる可能性もあります。

では、疾病保障のある住宅ローンを利用するメリットは何なのでしょうか?

この項目では、疾病保障に加入するメリットについて解説します。

1:万一の場合も安心

疾病保障のある住宅ローンを利用するメリット1つ目は、万が一の場合も安心という点です。

日本人の死因で多いのは、3大疾病に含まれている「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」で、中でもがんは2人に1人が発症すると言われています。

実際、日本人の死因を見てみると、上位3つが3大疾病です。

日本人の死因上位3つ

①悪性新生物:27.6%
②心疾患(高血圧性を除く):15.0%
③脳血管疾患:7.5%
参考:「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」

冒頭でもお伝えした通り、住宅ローンを組むと返済期間は長期になり、20代や30代といった若い頃に組んだ人でも完済時には高齢になっています。

60代や70代になると、これらの病気を発症するリスクが高くなるので、疾病保障がないと返済が難しくなり家族に迷惑をかける恐れもあります。

そんな万が一に備えられるのが疾病保障なので、返済が長期にわたる可能性がある場合は、やはり加入しておいた方が安心でしょう。

2:保障金額ががん保険よりも高い場合がある

疾病保障のある住宅ローンを利用するメリット2つ目は、保障金額ががん保険よりも高い場合があるという点です。

例えば、あなたが35歳の時に、以下の条件で金利が年0.2%上乗せされる「がん団信付きの住宅ローン」を組んだとします。

【がん団信付き住宅ローンの前提条件】

①借入金額2,000万円(ボーナス返済なし)
②借入期間35年、金利年率1.5%
③返済方法:元利均等返済
④金利上乗せ分:月額1,978円

その場合、平均月額負担額は1,978円となり、35年間の負担総額は83万760円です。

それに対して、以下の一般的ながん保険に加入したとします。

【一般的ながん保険】

①保障内容:がん診断給付金(*):300万円(1年に1回を限度 回数無制限)
②保険期間・保険料払込期間:終身
③保険料:月額8,734円

保険料は月額8,734円程度なので、35年間の保険料は366万8,280円となります。

このように同じがんを保障してくれる内容でも、普通のがん保険と住宅ローンに追加できる疾病保障では、保険料の負担が大幅に違うのです。

もちろん、疾病保障でも高度な保障が受けられるので、普通のがん保険に加入するよりお得と言えるでしょう。

3:金利の上乗せなしで加入できる団信もある

疾病保障のある住宅ローンを利用するメリット3つ目は金利の上乗せなしで加入できる団信もあるという点です。

普通のがん保障と比較した際、金利が0.2%上乗せされると仮定して計算しました。

しかし、中には金利上乗せなしで加入できる団信も存在するのです。

例えば、auじぶん銀行の住宅ローンなら、一般団信に加えて「がん50%保障」と「全疾病保障」「月次返済保障」の3つの保障がゼロ円で付帯します。

他の住宅ローンでも、同様に無料で付帯される団信があるので、そのような銀行ならリスクなしで加入できます。

疾病保障のある住宅ローンを利用するデメリット

続いては、疾病保障のある住宅ローンを利用するデメリットについて解説します。

1:金利が上乗せになる場合がある

疾病保障のある住宅ローンを利用するデメリット1つ目は、金利が上乗せになる場合があるという点です。

メリットの項目で、金利が上乗せされない疾病保障があるとお伝えしましたが、そのような保障は珍しく、基本的には以下のような金利が上乗せされます。

たった0.1~0.3%でも、借入額が大きい住宅ローンにとっては大きな違いです。

また、万が一に備えたからと言って誰もが病気になるとは限りませんので、完済まで健康な身体でいられたら支払ってきたお金は無駄になります。

当然、カバーできる病気が多いほど上乗せされる金利は上がるので、本当に必要かどうかよく考えて決めるようにしましょう。

団信の種類 保険料
一般団信 金利上乗せなし
がん保障 金利上乗せなし〜+0.2%程度
3大疾病保障団信 金利+0.3%程度
7大・8大・11大疾病保障団信 金利+0.3%程度
ワイド団信 金利+0.3%程度
全疾病保障団信 金利+0.1~+0.3%程度

2:条件に当てはまらなければ保険金が下りない

疾病保障のある住宅ローンを利用するデメリット2つ目は、条件に当てはまらなければ保険金が下りないという点です。

疾病保障には条件があるので、カバーしている病気を発症しただけで保険金が下りるとは限りません。

例えば、がん保障であればがんと診断された時点で、ステージや入院の有無に関係なく住宅ローンの残高がゼロになります。

しかし、急性心筋梗塞や脳卒中は、入院・手術を受けただけで保障する銀行もあれば、就業不能状態など重篤な症状が一定期間続かないと保障しない銀行もあります。

他にも、特定の疾病を発症したうえで、「就業不能状態が1年以上」といった条件が含まれる団信などもあるので、どのような条件で保険金が受け取れるのか事前に確認しておく必要があります。

3:そもそも団信に加入できないケースがある

疾病保障のある住宅ローンを利用するデメリット3つ目は、そもそも団信に加入できないケースがあるという点です。

そもそも、疾病保障は一種の生命保険でもあるため、加入するためには現在の健康状態を伝える必要があります。

保険会社によっても異なるものの、多くの場合過去3年間に以下の病気で手術、または2週間以上の期間にわたり医師の治療・投薬を受けている場合は原則として加入できません。

告知が必要な病気
心臓・血圧 狭心症・心筋梗塞(こうそく)・心臓弁膜症・先天性心臓病、心筋症・高血圧症・ 不整脈・その他心臓病
脳・精神・神経 脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)脳動脈硬化症・その他脳の病気・精神病・うつ病、神経症・てんかん・自律神経失調症・アルコール依存症・薬物依存症・知的障害・認知症
肺・気管支 ぜんそく・慢性気管支炎・肺結核・肺気腫・気管支拡張症
胃・腸 胃かいよう・十二指腸かいよう・かいよう性大腸炎・クローン病
肝臓・膵臓 肝炎・肝硬変・肝機能障害・膵炎
腎臓 腎炎・ネフローゼ・腎不全
緑内障・網膜の病気・角膜の病気
新生物 がん・肉腫・白血病・腫瘍・ポリープ
その他 糖尿病・リウマチ・こうげん病・貧血症・紫斑病
女性だけの病気 子宮筋腫・子宮内膜症・乳腺症・卵巣のう腫

現在治療中の人でも、薬の種類や量、回復状況などを書面にして提出したり、医師の診断書を添付したりすれば審査に通る可能性はあります。

しかし、健康な人より審査に通る可能性が低いのは事実です。

疾病保障のあるおすすめの住宅ローン

最後は、疾病保障のあるおすすめの住宅ローンを紹介します。

auじぶん銀行

1つ目に紹介する住宅ローンはauじぶん銀行です。

auじぶん銀行では、一般団信・ワイド団信・がん50%保障団信・がん100%保障団信・11疾病保障団信・全疾病保障・月次返済保障が用意されています。

しかも、一般団信に加えて、以下の3つの保障はゼロ円で加入できます。

auじぶん銀行で無料で加入できる保障

①がん50%保障
②全疾病保障
③月次返済保障

がん50%保障だけや全疾病保障だけが無料付帯という住宅ローンなら他にもありますが、この3つが無料で付帯していて、なおかつ低金利の住宅ローンは他にありません。

金利 変動金利(住宅ローン金利優遇割適用):%
当初10年固定金利:年%
事務手数料 借入金額×2.2%(税込)
保証料 無料
繰上げ返済手数料 無料
借入可能額 500万円以上2億円以下
返済期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
来店 不要
対応地域 全国

三菱UFJ銀行

2つ目に紹介する住宅ローンは三菱UFJ銀行です。

三菱UFJ銀行では、ワイド団信と7大疾病保障付き住宅ローンのビッグ&セブン<Plus>があります。

7大疾病保障付住宅ローンのビッグ&セブン<Plus>とは、がんや脳卒中といった3大疾病に加え、4つの生活習慣病(高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変)にも対応した保険です。

注目すべきは保険金が下りる条件で、他の住宅ローンだと脳卒中・急性心筋梗塞は病気が60日以上続いた場合などを条件としています。

しかし、三菱UFJ銀行は脳卒中・急性心筋梗塞なら入院した時点で、住宅ローン残高がゼロ円になります。

脳卒中と急性心筋梗塞といった病気なら大抵が入院となるので、三菱UFJ銀行の条件がいかに低いかが分かるでしょう。

金利 変動金利:年%~
当初10年固定金利:年%~
事務手数料 借入金額×2.2%(税込)
保証料 一括前払い型と利息組込み型により変動
繰上げ返済手数料 インターネット無料
借入可能額 500万円以上2億円以内(10万円単位)
返済期間 1~35年
来店 不要
対応地域 全国

まとめ

今回は、住宅ローンの疾病保障について解説しました。

一言で疾病保障と言っても、がん保障や3大疾病保障など様々な種類があり、それぞれカバーできる病気にも違いがありました。

また、住宅ローンによって金利の上乗せの有無や利率に違いがあったり、保険金が下りる条件に違いがあったりするので、加入する際は金融機関ごとに概要をチェックするようにしてください。

加えて、保険料は掛け捨てとなっているので、必要ない保障まで加入するとお金が無駄になる恐れがあります。

本当に自分に必要な保障かどうか、よく検討してから加入するようにしましょう。

人気コンテンツ

人気コラム

利用用途で選ぶ

金利で選ぶ

住宅ローン一覧