住宅ローンの審査ではなぜ在籍確認が行われるの？具体的な流れや内容を解説

住宅ローンの在籍確認では、職場に電話をして勤務状況を確認します。

「いつ職場に電話をされるのか」「どんなことを聞かれる？」「電話が取れなきゃ審査に落ちる？」

さまざまな不安を解決するべく、住宅ローンの在籍確認について詳しく解説します。

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在籍確認とは金融機関が住宅ローンの借入の審査時に、申込者が勤務先に在籍しているかどうかを確認することをいいます。

金融機関は返済が滞り債権が回収されず損失となる事態を避けなければなりません。

申込者の返済能力を客観的にできる材料は収入ですが、源泉徴収票や給与明細だけでは過去の情報となるため、借入時に勤務しているかは職場に電話をして確認するのが確実となります。

本審査に入ってから電話がかかってくる

住宅ローンの在籍確認がいつかかってくるか気になるかと思いますが、仮審査が通過し、本審査の最終段階でかかってきます。

仮審査は多くの金融機関でインターネット上から申し込みができ、早ければ即日でメールにて審査結果が届きます。

本審査は1～3週間程度かかり、本審査では主に担保の対象となる物件の評価、収入の確認を入念に行います。

また仮審査で確認した内容が本当に正しいのか、審査の最終段階に在籍確認を行うことがあります。

したがって在籍確認は本審査に入り1～3週間程度でかかってくると考えておけばよいでしょう。

在籍確認が取れないと判断されると申告した勤務先や収入の証明ができないため、審査に落ちる可能性があります。

タイミングの要望を出すのも対策となる

住宅ローンの在籍確認は申込者が直接電話を取る必要がありません。

金融機関から勤務先に電話し、本人がいれば本人と話しますが、不在であっても「席を外しています」という回答であれば在籍自体は確認できるため、折り返し不要として切ります。

どうしても自身が電話を取りたい場合には、本審査に入った段階で問い合わせて在籍確認の希望の曜日や時間帯を伝えておくとよいでしょう。

金融機関によってはなるべく要望に応えてくれる所もあります。

申込者本人に繋がった場合には、本人に金融機関名と在籍確認であることの要件を伝えます。

本人と直接つながった場合、在籍確認で聞かれるのは以下のような簡単な内容です。

本人が不在にしていた場合に「席を外しています」と伝えられた場合には、勤務先で働いてはいるが今不在にしているだけと確認が取れるため、折り返し不要として再度電話はありません。

このとき金融機関が個人名で電話し、折返し不要とするため、本人が住宅ローンの在籍確認があったことに気づかないまま審査が進むときもあるわけです。

不在時でも在籍確認が行われるわけですが、個人情報保護の厳しい会社では個人名だけでは電話を繋げてくれなかったり、不在時に一個人の在籍を伝えてくれなかったりする場合もあります。

このような場合には在籍確認が取れません。

したがって最近では電話して在籍確認するという方法ではなく、健康保険証や数か月分の給与明細、在籍証明書などから在籍確認をする金融機関も増えています。

「住宅ローンの在籍確認がなかった」という例もあります。

どのようなときに在宅確認がなかったのでしょうか？
3つの例を紹介します。

銀行に給与振り込みの実績があるとき

住宅ローンを申し込んでいる金融機関の口座を持っていて継続的な給与振り込みがあると、申告した勤務先に勤めている証明になります。

既に確認できているので、住宅ローンの在籍確認が行われないケースがあるのです。

資料から在籍確認ができるとき

最近では個人情報保護の流れから在籍を確認することが難しくなっており、健康保険証や在籍証明書などで在籍確認をする金融機関が増えています。

健康保険証

健康保険証は退職すれば返却が必要となるため、会社に在籍していないと保有できません。
そのため在籍確認の証明となります。

ただし今後、健康保険証はマイナカードに統一されるため、マイナカードの情報提出に変わっていく可能性もあります。

在籍証明書

在籍証明書でも勤務先の在籍確認ができます。

会社のシステムまたは人事などで発行が可能です。

会社から発行理由を聞かれた際には住宅ローンを組むとバレてしまう点はデメリットですが、いずれ住宅ローンの控除で伝わりますので、あまり悩まず発行してもらうようにしましょう。

出勤がない、どうしようもないとき

出勤がない職業だったり、営業や管理職など離席が多い業種に就いていても、対応してくれる金融機関が増えています。

仮審査が通り、本審査に進む際に住宅ローンを申し込んでいる金融機関に問い合わせをして、どうしても在宅確認がしづらい理由を相談しましょう。

金融機関によっては在宅確認を行うタイミングを配慮してもらえたり、健康保険証や在籍証明書で確認する方法に変えてもらえます。

テレワークなら追加資料で融通を利かせてくれる

近年ではコロナ禍の影響で在宅ワーク（テレワーク）で会社に出勤をしない職場も増えました。

仮審査が通り、本審査へ進む際に住宅ローンを申し込んでいる金融機関に問い合わせをして、テレワークで出社がない旨を正直に説明しましょう。

追加資料で融通を利かせてくれる金融機関もあります。

休職中は理由によっては審査に落ちる

休職中で出勤していない場合、住宅ローンの在籍確認で審査に落ちる可能性がありますので気を付けなければなりません。

「休職中のため不在です」と会社に言われてその理由を金融機関が詳しく確認できないリスクがあるためです。

病気で休職している可能性があると「健康状態に問題がある」として団体信用生命保険（団信）の審査に落ちてしまいます。

団信に加入できなければ住宅ローンの契約はできません。

復職が前提の産休や育休だと伝われば審査に通る可能性はありますが、復職後は時短勤務や体調の関係で復職前より年収が下がるケースも多いため、希望条件で審査が通るかは難しくなってきます。

そのため可能であれば復職後に住宅ローンを申し込みするようにしましょう。

アリバイ会社とは借入申込時に提出する源泉徴収票、在籍確認時の勤務先を実際に勤務していない企業で作成する会社のことです。

自営業やフリーランスなどでは住宅ローンの審査に通りにくいと言われているため、「源泉徴収票を実際に働いていない勤務先で作成し、在籍確認できるようにする」と謳っているのです。

アリバイ会社は一見便利な手段ですが、判明した際には詐欺罪に問われるリスクがあります。

また契約違反として判明次第、一括返済を求められる可能性があります。

返済できない場合には破産してしまうおそれもあるため、絶対にアリバイ会社を使ってはいけません。

自営業やフリーランスなどでも収入が安定していれば問題なく借りられます。

住宅ローンの審査に通らないときは、借入額や返済期間を見直してみましょう。

住宅ローンの在籍確認が不安な方は、相談しやすい窓口がある金融機関を厳選して2つ紹介します。

ご紹介するネット銀行は、ネット申し込みも可能でオンラインでの相談ができる問い合わせ窓口があるだけでなく、全国各地に店舗が存在しているので相談しやすいのがポイントです。

「営業で日中不在が多く、16時以降に電話してほしい」「テレワークで出勤がない」など、不安な理由を正直に相談してみましょう。

住宅ローンの在籍確認が本審査で行われること、申告した会社に電話して勤務しているかの確認だけ取られることを解説しました。

基本は勤務先に借入のことがわからないよう金融機関名は控えて電話するため、在籍確認で職場に知られる心配はいりません。

どうしても在籍確認がしづらい職業で心配な方は、仮審査が通過したタイミングで金融機関へ正直に相談しましょう。

必ずしも対応してくれるわけではありませんが、金融機関によっては健康保険証や在籍証明書で在籍確認を行ってくれます。

「在籍確認で審査に落ちたらどうしよう」と不安に思ったら、紹介した相談窓口のある金融機関へぜひ申し込んでみてください。