ネット銀行住宅ローンの注意点・デメリット メガバンクと比較解説
住宅ローンを検討しているときに、「ネット銀行の住宅ローンがおすすめ!」といった記事をよく目にするでしょう。
公式サイトでは、金利が低く非常に魅了的に映りますが、店舗で銀行員から直接説明を受けられるわけではないため、本当に良いのか心配になることもあります。
そこで、ここではネット銀行のメリットにも触れながら、デメリットや注意点、メガバンクとの違いについて解説します。
ネット銀行6つのデメリット、注意点
ネット銀行のデメリットと注意点
- 対面相談窓口がないことも
- インターネットを使えないと難しい
- 手続きを自分で行うのが面倒。
(住宅展示場でできる場合もある) - メインバンクからお金を移動する必要もある
- フラット35がないことがある
- 「5年ルール」「125%ルール」がない銀行もある
詳しく解説していきます。
対面窓口がない、インターネットがないと難しい、手続きが億劫
ネット銀行は、基本的に対面窓口がなく、相談は電話、チャットがメインです。
そして、ネット銀行での手続きは基本インターネット上で行い、確認書類はスマホの写真撮影またはスキャナでアップロードすることになります。
また、基本となる情報は、その銀行のホームページで読み取り、不明な点を電話やチャットで聞くという形になります。
銀行選びは自分で金利、団信、事務手数料などを比較してよりよい銀行を選ぶことになり、ネット銀行は主体的に自分で手続を行うことになります。
通常、家を購入、または建築するときは、その不動産会社が提携する銀行を紹介されます。その銀行で手続をすれば、不動産の購入または設計手続きのついでに銀行融資の手続きができ、必要書類も不動産会社から銀行に交付してもらえたり、不動産手続きと同じ書類が必要であればついでに取り寄せてもらえたりするため、書類を集める手間が少なく済みます。
その点、ネット銀行を選択する場合には、自分で購入のタイミングに合わせて審査申込、書類集めをする手間がかかります。
気になる事が出てきたときは、チャットやメールから問い合わせ、情報もネットで収集、申込もネットからということを考えると、インターネットのない環境だと難しい事はもちろん、スマホやパソコンの操作に不安がある方にとってはストレスになってしまうでしょう。
返済口座を指定されているところもある
返済時においてもデメリットがあります。
住宅ローンを利用することにした銀行の口座が基本的に返済口座となるため、給与を受け取っているメイン口座と住宅ローンの返済をする口座が異なる場合は、お金の移動が必要となります。
住宅ローンのなかには、メイン口座が異なっても自動的に返済口座に振り替えをしてくれるサービスが利用できるところもあるので、口座から口座への移動が面倒と感じるときは、住信SBIネット銀行のように、そのサービスを展開している住宅ローンを利用しましょう。
5年ルールと125%ルールがない場合も
次にローンの内容についてですが、ネット銀行で「5年ルール」「125%ルール」がないこともあるので注意が必要です。
通常、銀行で変動金利(元利均等返済)にて住宅ローンを借りると、以下の「5年ルール」「125%ルール」が適用されます。
5年ルール
変動金利は6か月毎にローンの適用金利がそのときの金利状況によって変更されます。
そのときに急に返済額が変わってしまうと返済に困ってしまう可能性があるため、5年間は返済額を据え置かれます。
125%ルール
5年毎に返済額は変わりますが、急に大きく増えると返済に窮する可能性があります。
そのため、金利上昇により返済額が増えることになっても、その前の返済額から125%を超えない返済額にするルールがあります。
なお、125%を超える分は返済しなくてよくなるわけではなく、いずれ返済する必要があり、その後金利が下がっても返済額が変わらないことで調整します。
調整できなかったときは、最終償還日に一括返済することになります。
返済額に余裕がある場合はそこまで気にしなくても良いですが、余裕のないときはこのルールの適用がないと5年毎に金利上昇で急に返済額が増えて返済に困ってしまいます。
これらのルールはほとんどの銀行でネット銀行含めて、変動金利・元利均等返済を選択すればありますが、用意されていないネット銀行もあります。
毎月の収入に対して返済額に余裕がない場合には、ルールがあるかないかを確認して申し込みを行いましょう。
フラット35の取り扱いがない銀行もある
フラット35はどの銀行でも扱っていると思っていた方は注意です。
フラット35は住宅金融支援機構が提供する35年のような長期固定金利の住宅ローンです。
国が支援するローンであるため、民間銀行が提供する長期固定金利より非常に低金利になります。
フラット35は、取扱い金融機関が決まっておりどの銀行も扱っているわけではありません。20~30年超の長期固定金利を選択肢に入れている場合には、フラット35の取扱いがあるかの確認が必要です。
デメリットを回避する方法とは?
ネット銀行には、上記のデメリットがありますが、回避することもできます。
まず対面窓口がないというところが心配な方は、対面窓口のあるネット銀行を選ぶようにしましょう。
例えば、住信SBIネット銀行は、全国の50店舗以上の直営または提携窓口で相談することができ、金利はネット銀行の水準の変動金利年%で借りることができます。
そのほか、対面ではないものの、ZOOM等でオンラインにて相談ができるところもあります。例えば、楽天銀行がそのひとつで、ZOOMまたはSKYPEで面談可能です。
また、資金移動についてはネット銀行で住宅ローンの返済をしている場合、自働振替サービスを申し込むことができます。振込手数料無料で他の銀行から返済口座に振込することができるサービスです。
「5年ルール」「125%ルール」についてはほとんどの銀行で設けられていますが、ソニー銀行やPayPay銀行ではこのルールがないため返済に余裕がない場合には注意しましょう。
また、フラット35を選択肢に入れている場合には、ARUHI(アルヒ)住宅ローン、住信SBIネット銀行が取り扱っています。
ネット銀行の住宅ローンの6つのメリット
ネット銀行のメリット
- 24時間365日申込可能で来店不要
- 金利が圧倒的に低い
- 保障を割安に付加できる
- 全国どこからでも申し込みが可能
- 審査スピードが速い
- 印紙代無料
ネット銀行は、手続きがネット上でできるため、来店する必要がなく、24時間いつでも手続きをすすめることができます。申し込み地域の指定もないため、全国から申し込み可能です。
銀行は通常平日に開いていることになるため、その日に合わせて仕事を休むのは大変です。また、土日に開いているところもありますが、土日にわざわざ銀行に出かけるのも大変です。ネット銀行なら自宅で全て手続きを終えることができます。
そして、ネット銀行の最大のメリットは、適用金利が非常に低いことです。
たとえばauじぶん銀行の新規借入れの変動金利は、年%※4,5(住宅ローン金利優遇割適用なし/全期間引下げプラン)で、さらにau回線とじぶん電気の契約で適用金利は割引されます。一方、大手銀行の三菱UFJ銀行の変動金利は年%~となっています。()
auじぶん銀行 | 三菱UFJ銀行 | |
---|---|---|
新規借入れの金利 | 年%※4,5 (住宅ローン金利優遇割適用なし/全期間引下げプラン) |
年%~ |
auじぶん銀行の金利・団信についての備考
※1 金利優遇について*本金利プランに住宅ローン金利優遇割を最大適用した金利です。
*J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割、コミュファ光優遇割は適用条件充足後、3ヶ月後から適用開始となります。
*審査の結果によっては、本金利プランをご利用いただけない場合がございます。
【金利引き下げ条件について】
*「auじぶん銀行の住宅ローン」と「au回線」と「じぶんでんき」および「J:COM NET」または「コミュファ光」と「J:COM TV」をセットでご利用いただくと、住宅ローン適用金利から最大年0.15%引下げます。
適用条件、説明書および追加情報の詳細は、auじぶん銀行ウェブサイトをご確認ください。
※2 固定金利について
*新規の際は、物件価格の80%以下でお借入れ、かつ50歳以下で一般団信をご選択の場合の固定特約金利となります。
*新規で物件価格の80%超で住宅ローンをお借入れの場合は、表示金利から年0.045%引上げとなります。
*借り換えの際は、50歳以下で一般団信をご選択の場合の固定特約金利となります。
*固定金利特約期間終了後に金利タイプの変更を行う場合は、金利の引下幅が変更となります。
*審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
※3 団信について
*がん50%保障団信、がん100%保障団信、がん100%保障団信プレミアムは50歳以下のお客さまがご加入いただけます。
*審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。
※4 50歳以下で一般団信をご選択の場合。
※5 物件価格の80%以下でお借入れの場合。
その金利差は1%にも満たないですが、数千万を借りる住宅ローンでは数十万~数百万円の支払利息の差が出ます。
そのほか、申し込みから審査結果までネットを利用するためにスピード感があること、契約書が電子契約となることで印紙代が不要になるということもメリットでしょう。
ネット銀行とメガバンクの違い
メガバンクとは、主に総資産の高い「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」を指します。三菱UFJ銀行は店舗数が2,479店舗、三井住友銀行は1,247店舗、みずほ銀行は8,007店舗と主要都市に店舗網があります。
また、メガバンクはグローバル展開をしていることから、厳しい国際金融規制の基準に準拠しているため、大切な資産やローンを契約するにも安心です。
一方、ネット銀行では、店舗がなかったり、あっても都市にしかなかったりします。また、メガバンクに比べると知名度が低く、信頼度でいうとメガバンクよりも劣るイメージを持つ方が多いでしょう。
しかしながら、メガバンクにおいて店舗数の削減が進められており、都市部でも統廃合が進み、近くにあった店舗がなくなっているというケースもあります。
また、少なくなった店舗は混みあい、予約がないと半日以上待つことも珍しくありません。
ネット銀行の信頼面においても、ネット銀行はメガバンクの出資で設立されていることが多く、auじぶん銀行は三菱UFJ銀行とKDDI、PayPay銀行は三井住友銀行とPayPayの出資で設立されています。
このことを知るとネット銀行の見方が変わり、信頼を持って申し込みをすることができます。
ネット銀行の金利が低いのはなぜ?
ネット銀行の金利はPayPay銀行が年%、住信SBIネット銀行年%などと非常に低金利となっています。
ではなぜネット銀行は低金利を実現できているのでしょうか。
ネット銀行の金利が低いのは、ランニングコストを最小限に絞っているからと言えます。
つまり、通常の銀行は店舗の運営費(人件費、家賃、光熱費、警備費等)、ATMの運営費がかかりますが、ネット銀行はそもそも店舗や自前のATMを持たないため上記のような費用がかからず、その分低金利を実現できるのです。
そのため、金利の低さで住宅ローンを決めたいという方はネット銀行の中から見つけるのがおすすめです。
ネット銀行がおすすめな人、メガバンクがおすすめな人
ネット銀行がおすすめな人は、金利重視の方です。
住宅金融支援機構の調査によると、フラット35以外の利用者で、住宅ローンを選んだ決め手として最も多いのが「金利の低さ」でした。その比率は70%超で、多くの方が金利で住宅ローンを選んでいます。
金利を重視するなら、ネット銀行がおすすめです。
一方、安心感、直接相談したいと考えるなら、メガバンクがおすすめです。
メガバンクは全国に支店があり、直接住宅ローンのプロである銀行員と相談することができます。
金利の低さも大切ではあるものの、申し込みに不安が残るときや相談しながら決めていきたいというときは、三菱UFJ銀行などのメガバンクを選ぶのが良いでしょう。
ネット銀行、メガバンクの中でも銀行によって特徴は様々です。
それぞれの特徴を理解し、ライフスタイルや将来設計に合わせて自分に合う住宅ローン選びましょう。
400365161.pdf (jhf.go.jp)
次に、ネット銀行、メガバンクでそれぞれおすすめの銀行を紹介します。
auじぶん銀行
auじぶん銀行の住宅ローンは、新規借入れの変動金利が年%※4,5(住宅ローン金利優遇割適用なし/全期間引下げプラン)と非常に低金利で、さらに、住宅ローンとセットでau回線、じぶんでんき、J:COM NETまたはコミュファ光、J:COM TVの契約をすると変動金利が最大年0.15%引き下げになります。
auじぶん銀行 | 変動金利 年%※4,5 (新規借り入れ/住宅ローン金利優遇割適用なし/全期間引下げプラン) |
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+au回線 | 変動金利から年▲0.07% |
+じぶんでんき | 変動金利から年▲0.03% |
+J:COM NETまたはコミュファ光 | 変動金利から年▲0.03% |
+J:COM TV | 変動金利から年▲0.02% |
合計 | 年▲0.15% |
au回線での年0.07%優遇金利は、じぶん銀行口座登録のauIDがauの家族割プラスに加入していることが要件です。家族割プラスには、au回線が2つ以上必要で、夫婦または親子でau携帯にすれば要件を満たすことができます。
じぶんでんきの優遇金利は、住宅ローン申込完了までに、じぶんでんきの申し込みが必要となっています。
なおau回線の優遇金利は、借入申し込み後でもau回線加入で優遇されます。逆にau回線を解約してしまうと、借入中でもそれ以後金利優遇を受けられなくなってしまうので、気をつけておきましょう。
書類提出はスマホのカメラでアップロードでき、書類を郵送したり、銀行に出向いたりする必要はありません。
新規借入れ 金利 () |
変動金利(全期間引下げプラン) 住宅ローン金利優遇割適用なしで年%※4,5 住宅ローン金利優遇割適用ありで年%※1,4,5 |
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10年固定特約 年%※2 当初10年間固定金利、期間終了後終了時の変動金利または固定金利を選択 (当初期間引下げプラン) |
|
申込要件 | 以下の条件をすべて満たす個人の方 ・auじぶん銀行に円普通預金口座をお持ちの方 ・お申込時のご年齢が満18歳以上満65歳未満で、最終ご返済時が満80歳の誕生日までの方 ・安定かつ継続的なご収入のある方 ・auじぶん銀行指定の団体信用生命保険にご加入いただける方 ・日本国籍の方、または永住許可を受けている外国籍の方 ・auじぶん銀行が定める借入条件に該当する方 |
保証料 | 不要※3 |
事務手数料 | 借入金額の2.2%(税込) |
団信※3 |
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auじぶん銀行の金利・団信についての備考
※1 金利優遇について*本金利プランに住宅ローン金利優遇割を最大適用した金利です。
*J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割、コミュファ光優遇割は適用条件充足後、3ヶ月後から適用開始となります。
*審査の結果によっては、本金利プランをご利用いただけない場合がございます。
【金利引き下げ条件について】
*「auじぶん銀行の住宅ローン」と「au回線」と「じぶんでんき」および「J:COM NET」または「コミュファ光」と「J:COM TV」をセットでご利用いただくと、住宅ローン適用金利から最大年0.15%引下げます。
適用条件、説明書および追加情報の詳細は、auじぶん銀行ウェブサイトをご確認ください。
※2 固定金利について
*新規の際は、物件価格の80%以下でお借入れ、かつ50歳以下で一般団信をご選択の場合の固定特約金利となります。
*新規で物件価格の80%超で住宅ローンをお借入れの場合は、表示金利から年0.045%引上げとなります。
*借り換えの際は、50歳以下で一般団信をご選択の場合の固定特約金利となります。
*固定金利特約期間終了後に金利タイプの変更を行う場合は、金利の引下幅が変更となります。
*審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
※3 団信について
*がん50%保障団信、がん100%保障団信、がん100%保障団信プレミアムは50歳以下のお客さまがご加入いただけます。
*審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。
※4 50歳以下で一般団信をご選択の場合。
※5 物件価格の80%以下でお借入れの場合。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンでは、変動金利年%~、固定期間選択型10年が年%~、35年全期間固定金利が年%~と大手銀行でありながら、ネット専業銀行と同水準の低金利で住宅ローンを借りることができ、電子証明に対応しているため通常2万円程度かかる印紙税が不要です。
ネット専用住宅ローンではありますが、金利はネット専用のままで、窓口で相談しながら申し込みすることも可能です。
金利 () |
・変動:年%~ ・固定10年:年%~ ・全期間固定31~35年: 年%~ ※適用金利はお申込内容により変わる可能性があります。 |
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申込要件 | ・18歳以上満70歳以下、最終返済時満80歳未満 ・同一勤務先に満1年以上勤務されている方で、三菱UFJ銀行に給与振込利用中の方 ・「スーパー普通預金(メインバンクプラス)」及びインターネットバンキング「三菱UFJダイレクト」を利用中、または今後ご利用いただける方 ・日本国籍または永住許可等を受けている方 ・団信に加入できること |
保証料 | なし |
事務手数料 | 借入金額×2.2%(税込) |
団信 |
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保険会社が認める病気やケガが対象となり、精神障害などの保障対象外となる病気やケガがあります
ネット銀行は審査スピードも早いため、まず融資が可能かどうか知りたいときに簡単に申込みでき、即日結果を知ることができます。申込みした後キャンセルしてペナルティがあるわけではないため、まず仮審査に申し込んでみるのがおすすめです。