過払い金についてを徹底的に解説します!
以前より減りましたが、よく過払い金についてテレビで見かけますよね。払ったお金が返ってくるかもしれない! え? じゃあ、ひょっとして自分も該当していて、お金が返ってくるかも、、というインパクトだけは伝わるのですが、なんだか難しそうなイメージですよね。過払い金についてあまり知らないという人の為に、このページでは過払い金についてを徹底的に解説していきます。
過払い金とは?
過払い金とは
法的な問題もあり、詳しく説明すると非常に複雑になるため、簡潔に説明すると、過去にグレーゾーン金利である29.2%の金利が利息制限法の上限金利より高い金利をキャッシング業者が適応しており、その金利で支払った利息分が本来払うべきお金ではないと認められ、差額が返金されるというコトを指します。
過払い金について簡潔に説明しましたが、2010年6月以降は、ほぼどのキャッシング業者も、利息制限法の上限金利に変更したため、対象になるのは、2010年以前に契約した人が対象となります。
ゼニエモン自身も、初めてキャッシング業者と契約したときは、2002年で、当時の契約時の金利は29.2%で、契約金額は70万円。利息制限法の上限は18.0%なので、この金利の差額分自体が、多く払ったお金として「過払い金」としての対象となるということです。
過払い金がどれくらい発生しているのかをレッツシミュレーション!
早速ですが、過払い金がどれくらい発生するものなのかを具体的に知るために、シミュレーションをしてみました。
余談ですが、当時は本当に30万円くらい借り入れしていても結構な返済額でしたし、返しても、返しても全然元金が減りませんでした。
その上、枠が今と比較してもすぐに10万円→30万円→50万円→70万円とすぐに増額となっていく感じでした(笑)。
まず、その29.2%の金利と現在の消費者金融とカードローンの金利差を見ていきます。
下の表を見てください。
50万円を6年かけて返済した時の違い
表は上から順に、当時の金利、現在の金利、銀行カードローンの平均的な金利となっています。
年利 | 毎月返済額 | 返済総額 | 最終的な利息 |
---|---|---|---|
29.2% | 15,932円 | 955,912円 | 191.182% |
18.0% | 12,697円 | 761,803円 | 152.361% |
14.5% | 11,764円 | 705,848円 | 141.170% |
50万円を6年間かけて返済しただけでこれだけの差が出ます。
ただ、なんとなく、あれ、意外と差額少ないような気も… と感じる方もいるかもしれませんが、リアルに返済してみると、29.2%の場合は、初回の返済時に利息だけで12,167円もかかっており、15,932円返済しても元金が、3,765円しか減っていません。
これを丸々1年続けた時点での残債は、まだ448,352円残っています。
6年で完済出来るにしても、1年愚直に返済し続けても、リアルな数字と肌感覚だと借金が、毎月1万5千円払い続けたのに元金が6万円しか減っていないんです。
1万5千円をずっと1年間真面目に返済し続けて、元金が5万円しか減っていないのを見ると、当時はすでに10万円以上は返済していたと考えていたので、
ひょっとしたら、延々に返済出来ないのでは… という想像すら当時はよぎりました。
次に、これを100万円として計算してみます。
100万円を9年かけて返済した時の違い
並びは上記と同じ
年利 | 毎月返済額 | 返済総額 | 最終的な利息 |
---|---|---|---|
29.2% | 27,021円 | 2,593,990円 | 259.339% |
18.0% | 19,723円 | 1,893,429円 | 189.343% |
14.5% | 17,657円 | 1,695,097円 | 169.510% |
100万円を9年96回で返済した計算が上記となります。
ここでは100万円で、現在の金利として18.0%で計算しています。
これは2社以上契約し、複数業者で、100万円という意味として捉えてください。
現在の利息制限法では、100万円を超える極度額での契約の場合は、最大でも15.0%となっています。
もうお気づきの方もいるかもしれませんが、この29.2%と、18.0%の差が、「過払い金」として返還されるお金です。
例えば50万円の例で言うと、50万円を6年、金利29.2%で返済するとしましょう。
利息として支払った、金額は455,912円となります。
それを利息制限法での上限金利だと利息の合計は、261,803円です。
シンプルにこれを差し引きし、キャッシング業者に対して、194,109円ほど多く返済していたことになり、このお金に対して返還を求めるコトができます。
イメージすると
このようなイメージです。
なので、現在利用し始めて2010年6月以降に契約した人は、過払い金が発生している可能性が少なくなります。
2010年に以前に契約し、今もまだ利用している人の場合
2010年以前に契約し、今もまだ利用している人の場合は、過払い金が発生している可能性が高い為、一度、専門家に調べてもらうコトをおすすめします。
2010年に以前に契約し、完済して、解約もしくは利用していない人
2010年以前に契約し、完済した人でも過払い金の請求は可能です。
それに解約をしたという人や、取引明細書をなくしたという人でも過払い金の請求は可能です。
現在も利用していて、すでに10年以上利用しているという人は途中から金利が下がっているはずで、途中までの払いすぎた金利と、その分減っているはずだった元本から現在の金利が適応されるまでの差額分の請求も可能です。
注意点は、完済し、10年以上経過した状態の場合は、時効になっているコトが多く、キャッシング業者も、顧客情報として契約などの情報は完済後10年間の間保管する義務があるのですが、それ以上経過すると、保管する義務がなくなり、業者からの情報開示は行えないので、過払い金の請求はかなり難しくなります。
過払い金請求はどうやって行うの?
厳密に言うと個人で行うコトも可能といえば可能ですが、無難なのは、法律相談が出来る専門家に依頼することをおすすめします。
まず、どのくらいの金額が発生しているのかを依頼し、そこから、対象となるキャッシング業者を調べてもらい、過払い金と想定出来る金額を算出してもらい、お互いの条件に合えば、合意し、専門家を通じて請求をしてもらうといった流れとなります。
具体的には下のような流れになります。
- 法律事務所へ依頼(受任)
- 法定金利で引き直し計算
- 貸金業者へ過払い金返還請求
- 貸金業者との交渉
- 和解書(合意書)の取り交わし
- 過払い金の返還(振込)
結構工程が長いですね…
でも基本的には法律事務所に正式に依頼をした時点で振込までやることはほぼありません。
時々交渉の内容や貸金業者の主張について連絡が入るかもしれませんが、最後までお任せするスタンスで問題はないです。
過払い金請求の費用の相場は?
専門家に依頼するときにかかる費用ですが、基本的にどこも料金はまばらで、1社あたりの請求額が固定であり、訴訟があるなしでも分かれますが、支払いが生じるタイミングは、「着手金」として、動いてもらう為に支払うお金。
「解決報酬金」として過払いの返還が無事に済んだ際に業者1社当たりの解決したという場合に生じる報酬金を支払うケースが多いです。
過払い金報酬として返還されたお金の中の割合で報酬金が高額になることもありますが、過払い金の報酬の割合は弁護士会や書士会で基準があり、裁判をする場合は25%、しない場合は20%の制限があります。
このように制限がありますので、過払い金として得たお金以上に費用がかかるコトはまずないのですが、正しい金利で引き直し計算をした結果過払い金の発生金額が非常に少なく、争点があり取り返せる可能性が低いと最初に弁護士や司法書士の方に言われたら素直に諦めた方が良いです。
上記のようにまず着手金を支払い、その後に成功報酬を支払う事務所があるため、過払い金が少なすぎると着手金の方だけで赤字になることも珍しくありません。
最初の相談段階や引き直し計算の段階で辞任する分には費用を取る事務所も少ないので、メリットがあまりないなら請求をやめてしまうのも選択肢の一つです。
過払い金請求をする前にチェックしておきたいこと
過払い金が発生しないケースについて
計算上過払い金が発生していたとしても金融業者と個人和解をしていると過払い金が発生しないケースが多々あります。
というか、ほぼ取り返すことは難しいです。
個人和解をする時に交わした和解書の中に「和解書に記載されている以外の債権債務はなしとする」という内容のことが記載されていることがあるのですがこれがかなり厄介。
この文言を清算条項というのですが、清算条項がある合意書にサインをしてしまうと本人の意思で過払い金の権利も放棄したとみなされてしまいます。
何故のようなことになるのかというと、個人で和解書を取り交わすのは支払が厳しくて業者に相談をした結果結ぶことが多く、その内容は「金利カットで元金のみの支払いとして再度返済計画立てる」がほとんどです。
つまり金利カット(債務)をカットする代わりに、仮に債権(過払い金請求権)が発生したとしても、それも含めて0にするよってことです。
そのため、仮に過払い金が発生している期間にローンを利用していたとしても途中で和解契約を個人で結んだ場合は過払い金請求で取り返すことが難しいのです。
ただ、その和解を交わしたタイミングで過払い金が発生していることを理解しているのか(錯誤無効)という部分を争点として争うことも可能です。
その場合かなり貸金業者と交渉や裁判で争うことになるので長期化しまうため、「どうしても相手が許せない」と言った部分がないと途中で心が折れてしまう方も多いです。
期間が長くても過払い金が少なくなるケースについて
過払い金は基本的に支払い期間が長くなればなるほど金利が増えていくので請求できる金額も大きくなっていきます。
ただ、途中で取引がなくなるなど間が空いてしまうと、計算も区切って行うことが多く、過払い金が大幅に減ることがあります。
これを取引の分断と呼ぶのですが、分断が起きたらその取引のかたまりごとに引き直し計算をするので、過払い金があまり増えず、更に金利が是正された以降は通常の計算方法になるため、分断が生じてしまったら過払い金をもらうどころか債務が残るパターンもありえます。
この空白期間は業者によって主張する期間が変わりますが概ね半年〜1年が目安です。
2年以上空いてしまうと交渉で意見を通すのは難しいと思います。
過払い金請求にかかる時間は?
過払い金請求は業者との交渉スピードによって大きく変わりますが、相手が大手金融業者であれば基本的に早期解決を望んでいるため対応は早い傾向があります。
ただ、和解に至るまでの、業者からの取引履歴の取り寄せやその後の再計算の時間等も含めると、全期間で早くて半年前後が目安となります。
もし話し合いで事務所と業者が和解(通常和解)できたとすると利息分はカットする代わりに早く支払うとかもあるのですが、もしも金利分も全て返還してもらうということになると訴訟を起こすしかないので更にそこから数ヶ月かかります。
裁判となると相手方も戦うモードで来るため、通常の交渉では主張してこなかった争点もバンバン主張するようになり、交渉が長期化することもあります。
時間をいくらかけてもいいから取れる金額は全部取りたいということであれば大丈夫ですが、あまり長いのはちょっと… という人はなるべく通常和解で終わらせられるようにすることが必要です。
この時の方針は司法書士や弁護士が必ず意思確認をするはずなので、その時に自分はどうしたいか伝えればOKです。
過払い請求した後にクレジットカードやカードローンは申し込める?
過払い請求された会社から見ると、利益となる金利の部分を返還させられた相手になるので良い印象は持ってもらえません。
そのため、審査通過はかなり難しいです。
しかも過払い請求したという事実は会社の社内情報に残しているので、1枚のクレジットカードを持ちたいと思っても関連会社であった場合は持てない可能性が高くなります。
自分がお金を貸した側で、利益だった金利を戻した相手は次も同じことになりたくないと覚えておきますよね。それと同じです。
過払い請求をするということに次の新規契約が難しくなるというデメリットがあることは覚えておくと良いでしょう。今後借入やクレジットカード発行の予定がないなら決行も良しです。
ただ、それじゃあ、過払い請求後に新しく契約したい人は泣き寝入りかい!?
ってことになりそうので、ここでポイントを伝えます。
個人信用情報機関に過払い請求の記録が残らない方法
過払い請求後に今後クレジットカードやカードローンの利用があるかもしれない… と過払い請求後に踏み込めない人は下記の2つをチェックしておきましょう。
1.返済がすでに終わっている借金の過払い金請求
2.今、借りている借金に対して過払い金請求をし、残っている借入残高と回収額を相殺し完済
この2つの場合は完済後、過払い請求したことで完済となるので記録は残らずに過払い請求をすることができます。ただし、過払い請求は10年以上経つと時効を迎えてしまっていることもあるので、昔どこでどれくらい利用して返済したのかをよーく思い出してみてくださいね。