奨学金の種類や利用資格について詳しく解説
このページは、進学を考えている、又は子供に進学させたいが、学費を現在の家計から出す事は厳しいので「奨学金」を利用したいけど、仕組みがよく分からない…という人の為のページです。
奨学金とは、学業をお金の問題で断念せざるを得ない人を支援する為の仕組みです。
大学(短大、専門学校)などの学費や在学中の家賃、交通費など必要なお金を借りる・給付してもらう事により、学業に専念することができます。
進学の選択肢と、学業に専念する為の時間を得るために受けられるお金です。
奨学金を利用している人はどれくらい?
現在、この奨学金ですが、利用の割合は、およそ2.6人に1人が利用しています。
大学 | 2.1人に1人(47.5%が利用) |
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短期大学 | 1.8人に1人(55.2%が利用) |
修士課程 | 2人に1人(48.0%が利用) |
博士課程 | 1.8人に1人(53.5%が利用) |
専門学校 | 2.4人に1人(41.1%が利用) |
奨学金の種類について
まず、奨学金を提供している機関を大きく分類すると、国や地方自治体が運営する「公的機関」のものと、「民間」運営のものがあります。
そして奨学金の種類には、返済が必要ない「給付型」のものと、全て卒業後に返済する必要のある「貸与型」の2種類が存在します。
また、「貸与型」でも、利息が付くものとつかない元金のみの2種類があります。
ちょっと分かりにくいと思うので、以下の図を見てください。
事実、日本全体の奨学金事業予算の約90%が日本学生支援機構のもので、学校経由で行われる奨学金の説明会は全て日本学生支援機構の奨学金です。
公的機関の奨学金
上記で触れたように、日本学生支援機構は利用者が最も多い奨学金の機関です。
高校3年生になると、4月〜6月前後には説明会やパンフレットなどを学校経由でもらうことができます。
各市区町村の地方自治体
進学者の扶養者が住んでいる市区町村が行っている貸付、又は給付金がこちらに含まれます。
額は日本学生支援機構よりも少ないことが多いですが、原則として無利子で借りる事ができます。
民間の奨学金
民間の奨学金は、企業等が出資や寄付金などを元に運営している団体となります。
額は50万円以内で無利息での貸付、経済的に困難な高校生に給付を行っている団体です。
月額20万円と高額な奨学金ですが募集人数が少なく、大学医学部に進学する人又は在学中の人に限られます。
民間の奨学金はいずれも日本学生支援機構と比較すると条件が難しかったり、他の奨学金と併用できなかったりと利便性に欠ける事が多くなっています。
奨学金に関しては、まず最初に日本学生支援機構を検討してみましょう。
日本学生支援機構の奨学金ってどれくらい借りられるの?
日本学生支援機構の奨学金は、3種類あります。
第一種奨学金 |
無利子の奨学金です。 |
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第二種奨学金 |
利子のつく奨学金です。 |
入学時特別増額貸与奨学金 |
入学時に必要な資金を払う為の融資です。 |
奨学金は教育ローンと違い、毎月進学者に対し口座振込で融資を行うことになります。
金利はどれくらいなの?返済はいつから?
給付型を受けられる人は本当にごく僅かであり、ほとんどの人は返済義務のある貸与型となります。
貸与型で怖いのは、返済と金利です。
まず知っておきたいのは、教育ローンの場合は契約者である扶養者が返済義務を負いますが、奨学金は進学した本人が返済義務を負います。
ただし奨学金は学業に専念するためのお金なので、在学中はアルバイトなどをしていても返済する必要はありません。
教育ローンの場合は、親が返済するので借りた翌月、又は翌々月から返済開始となります。
教育ローンも返済は卒業後にできる!?
日本政策金融公庫の教育ローンも、返済は卒業後にスライドすることが可能です。
ただし奨学金と大きく違うのは、金利が借りた翌月から発生するので金利分は毎月返済する必要があることです。
仮に年1.81%の金利で200万円借りた場合、月30日で換算すると利息は3,017円です。
年間に計算し直すと、36,204円は必ず返す必要があります。(※月30日換算のため誤差があります)
4年間で14万4千円支払うことになりますが、月々3,000円を4年間払っておきながら元金が1円も減っていないのは、返済の意欲が減ってもしょうがないでしょう。
奨学金は、卒業するまで金利がかからない
奨学金は、卒業するまで、金利は一切掛かりません。
借りている間は金利すら決まっていないので、奨学金を全額受け取り終えてから金利を固定型か変動型か選んだ後から、金利がつき始める流れとなります。
奨学金と教育ローンの金利の違い
奨学金の金利は、何があっても3%以上にならない事が約束されていますが、現在は固定金利が0.23%、変動金利が0.01%と非常に低い金利で借りる事ができます。
例えば変動金利の0.01%を適応させると、500万円借りても月の金利は42円です。
年間で約500円程度なので、15年かけて完済してもこの金利が続けば利息は4,000円未満になります。
上記で説明した無金利の第一種奨学金であっても、金利のつく第二種奨学金でもほぼ変わらないと言えるでしょう。
奨学金で返済苦となる原因は元金の返済
奨学金の返済が苦しい原因は、元金の返済です。
これはゼニエモンの個人的な意見ですが、奨学金は学びの場を誰にでも開くためにお金を給付・貸与しています。
つまり奨学金の本質は、人生で最も大きな自己投資の一つと言えます。
返済期間も長く、最長で18年に渡り返済する人も多いです。
そのため、場合によっては奨学金を借りることが正解なのかもう一度、考える必要があるかもしれません。
稼ぐお金に対して奨学金の返済額の占める割合が大きい場合は、すでに大きな借金のハンデを負っている事を忘れてはいけません。
じゃあ奨学金を借りずに進学を諦めるべきなのかと言うと、決してそうではありません。
技術や知識を身に付ける事は非常に重要ですし、より専門的な知識を身につけた状態の方が有利になることは言うまでもありません。
流されるまま、なんとなく奨学金を借りて進学しようかな程度の考えだと後悔する可能性もあるので、よく考えて利用するようにしましょう。
生活費などを100%奨学金で補う事は難しい
貯蓄がない状態で全て奨学金のみで進学することは、現実的ではありません。
まず入学時にアパート等の敷金礼金、交通費などの資金が必要になります。
このために奨学金を利用するとしても、借りられるのは最大50万円ですし、お金が貰えるタイミングは入学後です。
入学時の問題をクリアすれば奨学金のみでもやりくりできますが、その分卒業後の負担も非常に大きくなります。
かと言ってアルバイトなどで学業に専念できず、留年して奨学金自体が廃止されると元も子もありません。
奨学金で借りる金額は、後から増やすことも減らす事もできます。
卒業するまで金利はかからないので、最初の1年目はありったけ借りておいて余った分を翌年に充当する方法が良いとゼニエモンは考えています、
最初の1年は学業に専念することが最優先で、慣れてきた頃にアルバイトを始めて学費に充当すると良いでしょう。
親は教育ローンで子供の将来の負担を減らしておくべきか?
教育ローンと奨学金の違いについて詳しく解説の記事で説明していますが、教育ローンは親の借金で、奨学金は子供の借金です。
子供の負担を少しでも減らしたい場合、できれば毎月の仕送りでやりくりするのが最善の策と言えますが、どうしても厳しい場合は教育ローンの利用を検討する必要があります。
仕組みに違いがあるので、上記のページを参考にしてください。
教育にかかる負担を、お互いが軽減しあえる形をとることが非常に重要です。