おまとめローンの審査は厳しい?審査に通らない理由と対策を解説
お金を借りる方法の1つとして、カードローンは非常に有効です。
特に消費者金融のカードローンは審査が早く終わる傾向があり、審査条件も住宅ローンやカーローンに比べると比較的ハードルが低く設定されています。
一方で借り入れをしすぎると、毎月の返済スケジュールの管理が大変になりますし、利息で返済ができなくなる場合もあります。
そんな時に有効なのがおまとめローンです。
おまとめローンを利用すれば、複数の借入を一つにまとめることができ、毎月の返済や管理が楽になります。
ただし、おまとめローンは誰でも利用できるわけではありません。
そこで今回は、おまとめローンの審査に通らない方の特徴や、審査に通るためのコツをご紹介します。
おまとめローンはどんな使い方がある?
おまとめローンとは、複数からの借り入れを一本にまとめ、高金利の借り入れを低金利にシフトできるものです。
借り入れしているローンの金利が高いと、利息がどんどん膨らんでしまいます。
利息の計算式は、以下の通りです。
借り入れ残高×金利(年率)÷365日×借り入れ日数(借り入れ当日を除く)
つまり、借り入れ日数が長くなればなるほど金利が高くなるのです。
そのため、高金利のカードローンを返済をしようにもすぐには完済できず、利息がどんどん膨らむケースは十分にありえます。
中には借入額に対して倍以上の利息を支払わなければならないケースもあるので、結局大きく損をする可能性もあります。
そこで低金利のローンから借り入れをして高金利のローンに一括で返済し、その後は低金利のローンに返済していくというのが借り換えになります。
何社ものカードローンから借り入れをしていると、毎月の返済日程が複雑になって管理しきれなくなる可能性があります。
当然ですが、借り入れ先ごとに借り入れ額や返済額は違います。
それに加えて、クレジットカードの利用額の支払いもしないといけない方も多いでしょう。
こうなると、返済日や返済額の間違いなどにより、返済の遅延または滞納も起こってしまいます。
カードローンの返済で忘れてはいけないのが、返済を忘れると遅延損害金が発生することです。
遅延損害金は、以下の計算式で算出されます。
返済滞納金額×遅延損害金の金利(年率)÷365日×延滞日数
遅延損害金の金利は年20%近いことも多いので、遅延損害金が発生するのは絶対に避けましょう。
さらに、返済を滞納してしまうと信用情報に記載され、次回以降の借入が難しくなります。
以上のことから、複数からの借り入れは遅延損害金などで大きなダメージを受ける危険があるということが分かりました。
おまとめローンを利用して借り入れ先を一本化すれば、上記のような心配は必要ありません。
おまとめローンにはいくつかの種類がある
おまとめローンに申込するとしても、銀行と消費者金融で特徴が異なります。
消費者金融のおまとめローンは金利が高めに設定されがちなので、低金利ローンへの借り換え目的の方には不向きです。
銀行のおまとめローンは金利が低いので借り換えに適していますが、消費者金融のおまとめローンに比べると審査が厳しくなっています。
加えて、消費者金融のおまとめローンは銀行の借入をおまとめできないケースがある点には注意しましょう。
そして、おまとめ(借り換え)専用ローンは返済を進めても借り入れができず、最初に多めに借りることもできません。
ちなみに、おまとめローンでない通常のカードローンで借り入れをして、他ローンの返済にあてる方法もあります。
この場合はおまとめローンでの借り入れと違って、通常の借り入れと同じ形になるので、高額の借り入れ申込は審査のハードルが上がる可能性もあります。
自分に合ったおまとめローンを利用するように心がけましょう。
おまとめローンは総量規制の対象にならない?
消費者金融には、貸金業法が定めた総量規制というものがあります。
これは消費者金融からの借り入れ額が年収の3分の1以上になると、借り入れが不可能になるというものです。
これは銀行カードローンやクレジットカードの利用額には適用されません。
何故なら、総量規制を定めた貸金業法は消費者金融に向けた決まりなので、銀行法で動く銀行には影響が無いからです。
つまり、総量規制は消費者金融の借り入れに適用されるということです。
それでは、おまとめローンも総量規制の対象になるということなのでしょうか?
答えはNOです。
総量規制には「除外貸付け」や「例外貸付け」と呼ばれる例外があり、総量規制の対象にな額も借り入れ可能になります。
おまとめローンは例外貸付けの対象です。
それでは、どのような融資が「除外貸付け」「例外貸付け」になるのでしょうか。
除外貸付け
- 不動産購入のための融資
- 自動車購入における自動車担保の融資
- 高額療養費の融資
- 有価証券を担保にする融資
- 居宅以外の不動産を担保にする融資
- 売却予定不動産の売却代金によって返済する融資
例外貸付け
- 利用者が一方的に有利になる借り換え
- 借り入れ残高を段階的に減少させるのが目的の借り換え
- 利用者や親族が緊急に必要と認められる医療費支払い目的の融資
- 10万円以下、3ヶ月以内の完済などが条件で社会通念上で緊急に必要とされる費用を支払うための融資
- (新規の事業を営む)個人事業主への返済能力を超えない範囲の融資
- 確実に借り入れ可能だと確認できて1ヶ月以内で完済できるのが条件の、預金取扱金融機関から融資を受けるまでのつなぎ資金に関わる融資
以上が、「除外貸付け」と「例外貸付け」の例になります。
除外貸付けは高額の借り入れが多い住宅ローン・自動車ローンなどを指し、例外貸付けはおまとめローンや個人事業主向けローンなどを指します。
おまとめローンはどうしても高額の借り入れになってしまうので、年収とのバランスの関係から総量規制の対象になるのでは?と心配になる方も多いと思います。
消費者金融のおまとめローンでも総量規制の対象にはならないので、安心して利用してください。
おまとめローンの審査に落ちたくないならどうすればいい?
高金利のローンから借り入れしている場合や、複数からの借り入れをしていて完済が遠い場合に利用するのが、おまとめローンです。
おまとめローンへ申込をして、審査に落ちるのは非常に避けたい事態でしょう。
おまとめローンは高額の借り入れであることから審査が厳しいと考えがちですが、実際に問い合わせをしたところ、おまとめローンの審査がとりわけハードルが高いことはないとのことです。
そのため、審査に落ちたくない方は、通常のカードローンに通じる要素を抑えておけば問題がないと言えるでしょう。
おまとめローンの審査に通過しやすくなる要素
当然ですが、おまとめローンは返済をするためのローンと言っても、利息も含めた金額を毎月支払う必要があります。
そのため、きちんと完済をしてもらえると判断してもらう材料である収入は、非常に重要です。
前年度に転職や退職をしたことで収入が大きく下がった場合は、完済できるか怪しいと判断されて審査通過の難易度が上がる可能性があります。
その際は、勤続年数が半年〜1年以上など、ある程度仕事を続けている実績を作ってから申込をしましょう。
ちなみに、転職や退職をした事実は消せないので、可能であればおまとめローンに申込をするのは転職や退職をする前がおすすめです。
収入をごまかしたとしても、収入証明の提出を求められると確実に審査に落ちてしまいます。
審査では、業者が信用情報のチェックを行います。
信用情報とは、カードローンやクレジットカードの利用歴と返済歴をまとめたものです。
会社に関係なく全ての履歴が確認できるため、返済の遅延や滞納をしていると、審査に落ちる可能性が上がります。
他社の情報でも審査の際にはしっかりと把握されるので、日頃から返済日と返済額のチェックを忘れないように心がけましょう。
事故情報は、信用情報に記録されるブラックリストに加えて、自社ブラックリストも含みます。
自社ブラックリストとは、過去に返済や利用で問題があった人を独自に記録したもので、信用情報に関係なく社内で共有されるものです。
事故情報が信用情報から記載が無くなるのは5?10年間ですが、自社ブラックリストはそれ以降も社内で記録されている可能性があります。
自社ブラックリストに入っているとほぼ確実に審査に落ちるので、申込をする際はトラブルを起こしたことがない業者を選びましょう。
おまとめローンの借り入れ条件で共通するのが、安定して継続的な収入があることです。
このことから、融資をする側は利用者に安定性を求めていることがわかります。
融資をする側が借り入れ申込をしてきた人の安定性を判断する上で有効なのが、勤続年数です。
勤続年数が長いほど、審査をする側は「この申込者は安定して収入を得られる」と判断します。
おすすめのおまとめローンを紹介
まずはおまとめローンのおすすめを把握しましょう。
東京スター銀行・西日本シティ銀行・アイフル・プロミス・アコムなど、ゼニエモンおすすめのおまとめローンを以下で紹介します。
東京スター銀行のおまとめローン
借り入れ限度額・金利
東京スター銀行のおまとめローンは、借り入れ限度額が30万円〜1,000万円、金利が年9.8%、12.5%、14.6%いずれかの固定です。
※実質年率は保証料を含みます。金利・限度額は審査により決定します。
借り入れ条件
借り入れ条件は年齢面が20歳以上65歳未満、給与面が正社員・契約社員・派遣社員として給与所得があり、年収200万円以上です。
保証会社である、株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンスの保証を受ける必要もあります。
西日本シティ銀行のNCBおまとめローン
借り入れ限度額・金利
西日本シティ銀行のNCBおまとめローンの借り入れ限度額は10万円?500万円、金利が年4.5%〜15.0%です。
アルバイト・パート・配偶者に収入がある専業主婦の方でも、50万円までの借り入れが可能にもなっています。
借り入れ条件
借り入れ条件は、現住所が西日本シティ銀行の営業エリア内にあり、年齢面が20歳以上75歳未満で完済時の年齢が80歳以下の方です。
個人事業主の方の場合は、上記に加えて税金の滞納・延滞がないという条件もあります。
東京都・大阪府にある店舗は営業エリア外なので、基本的に九州に住んでいる人以外は利用できない点に注意し不可能と覚えておきましょう。
九州カード株式会社か、九州総合信用株式会社の保証を得るのも条件に入ります。
アイフルのおまとめローン かりかえMAX(初回利用時)・おまとめMAX(利用2回目以降)
借り入れ限度額・金利
アイフルのおまとめローンである「かりかえMAX・おまとめMAX」は、借り入れ限度額が1万円〜800万円、金利は年3.0%〜17.5%です。
借り入れ条件
借り入れ条件は年齢条件が20歳以上69歳まで、収入面の条件は定期的な収入と返済能力があるというものになります。
非常に希少!おまとめローン専門の消費者金融である中央リテールのおまとめローン
借り入れ限度額・金利
借り入れ限度額が最大500万円、金利が年10.95%〜13.0%です。
借り入れ条件
5件以上200万円以上の借り入れをしているというのが借り入れ条件に挙げられます。
そして、契約は東京都渋谷区にある本店に来店して契約することから、来店可能な地域に住んでいる必要があります。
宮城県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・富山県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県・京都府・大阪府以外に住んでいる方は、申込不可なので注意しましょう。
年齢条件は20歳以上65歳以下で、収入条件はパート・アルバイト・主婦・個人事業の方でも融資可能となっています。
おすすめおまとめローンの比較表
銀行・消費者金融それぞれでおすすめのおまとめローンを紹介したので、一覧表にして改めてチェックしましょう
借入限度額 | 金利 | 借入条件 | |
---|---|---|---|
東京スター銀行※ | 30万円以上1,000万円以下 | 年9.8%、12.5%、14.6% | ・20歳以上65歳未満 ・正社員、契約社員、派遣社員として給与所得がある ・年収200万円以上 ・保証会社である株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンスまたはアイフル株式会社の保証を受けられる |
西日本シティ銀行 | 最大500万円 | 年4.5%〜15.0% | ・20歳以上75歳未満、完済時の年齢が80歳以下 ・個人事業主の方はそれらに税金の滞納と延滞がない ・西日本シティ銀行のローン取り扱い店舗の近くに住んでいるか勤務している方 ・保証会社の保証を得られる |
アイフル | 最大800万円 | 年3.0%〜17.5% | ・満20歳以上で定期的な収入と返済能力がある |
プロミス | 最大300万円 | 年6.3%〜年17.8% | ・年齢20歳以上65歳以下 ・利用者本人に安定した収入がある ・主婦、学生の方でもアルバイトやパートをしていれば借り入れ可能 |
アコム | 最大300万円 | 年7.7%〜18.0% | ・成人以上かつアコム基準で安定した収入と返済能力がある方 |
中央リテール | 最大500万円 | 年10.95%〜13.0% | ・5件以上200万円以上の借り入れをしている ・契約時、東京都渋谷区にある本店に来店可能である ・20歳以上65歳以下 ・パート、アルバイト、主婦、個人事業の方でも借り入れ可能 |
※東京スター銀行の実質年率は保証料を含みます。金利・限度額は審査により決定します。
このように、銀行のおまとめローンは金利が低い傾向がありますが、収入面や居住地の条件があったりします。
また、消費者金融のおまとめローンは条件面は比較的ゆるいですが、金利が高く借り換え対象が消費者金融に限定される点がデメリットです。
借り入れ申込をする上で見逃せないのは日々の返済能力もですが、年齢面での条件です。
西日本シティ銀行のおまとめローンは、他のおまとめローンよりも年齢条件が高く設定されています。
また、見逃せないのがおまとめローン専用消費者金融の中央リテールのおまとめローンです。
5件以上200万円以上の借り入れをしていて、東京都渋谷区にある本店に来店契約できることが条件ですが、最大金利が年13.0%と非常に低く設定されています。
おまとめローンの審査は決してハードルが低いわけではない
おまとめローンが向いている人
- 利用すると金利が低くなる
- 返済総額を減少させられる
- 返済日の管理が難しくなってきている
- 返済額を間違えたことがある
おまとめローンに向いていない人
- いつでも融資を受けられる状態にしておきたい
- 毎月の返済額を減らして総返済額が増えるのが怖い
- 最近転職・休職など、急に収入が減る出来事があった
- 返済を滞納している
おまとめローンは、高金利の借り入れをしていたり複数業者から借り入れをしたりと、返済が難しい場合に効果的です。
消費者金融は上限金利が高いので、現状よりも低金利になる可能性は低いですが、複数の借り入れを一本にするのには適しています。
ただし、消費者金融のおまとめローンは、借り換え対象が貸金業者からの借り入れのみの場合がほとんどなのを忘れないようにしましょう。
また、銀行のおまとめローンは年収などの条件が多い傾向にあり、審査のハードルは消費者金融よりも高くなっています。
おまとめローンは総量規制の対象にはならず、審査の難易度が普通のカードローンよりも高いことはありません。
そのため、審査に落ちないようにするためのチェックポイントはおまとめローンと同じと思ってもほぼ問題ありません。
転職などで収入が減っていないか、普段の返済状況に問題がないか、過去にトラブルを起こしてしまった業者でおまとめローンの申込をしようとしていないか等が重要となります。
そして、おまとめローンは総量規制対象外ですが、「それを利用して本当に有利になるのか、借り入れ残高が減少するのか」という要素も気をつける必要があります。
それらの条件を満たせないと「例外貸付け」にならないと覚えておきましょう。