生活支援再建カウンセリングとは?借金・多重債務から立ち直る支援について
生活でお金に困ってしまった時や、どうしても買いたい物があってお金が必要になったという時、事業をするためにお金が必要な時などに、消費者金融カードローンで借り入れをすることがあります。
カードローンは申込資格を満たしていれば申込みすることができ、店舗に出向くことがないことから借りやすいというメリットがあります。
ただし、借り入れをした金額は、必ず返済をしなければなりません。
借りる側は借りやすい一方、カードローンを含めたローンは、貸す側が借り入れに金利をつけることで利益を得る仕組みになっているので、互いにメリットがあるサービスです。
しかし、カードローンはお金に困った状況では、非常に便利なものですが、借り入れのし過ぎは返済額が膨らむリスクがあります。
また、複数の消費者金融からの借り入れをすると、多重債務者と呼ばれる状態になります。複数からの借り入れは、返済するのが非常に面倒であり、借り入れ総額がどんどん大きくなるので、毎月の支払いが金利で精一杯になってしまいます。
こうした状況になると、取れる手段はあまり多くないです。
借り換えローンで借り入れを一本化するか、親族を頼るか、自己破産をするしかありません。
多重債務や借り入れのし過ぎの怖さを知ることで反省し、教訓を得るのはよくあることです。
しかし、一度どころか何度も借り入れで痛い目にあっても反省することができないという方は、日本貸金業協会が行う生活再建支援カウンセリングを受けることをおすすめします。
日本貸金業協会とは?
そもそも、日本貸金業協会とは、どういった組織なのでしょうか。
銀行の利用やローンなどの借り入れについて相談する機関は全国銀行協会です。一方、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などを対象にしているのが、2007年に設立された日本貸金業協会になります。
日本貸金業協会は、借り入れについてのさまざまなサービスを提供しており、闇金融業者検索機能や、借り入れに関する法律である貸金業法について、分かりやすく理解することができます。
また、高校・大学・専門学校などの教育機関や、行政主催のセミナーで、講義をする講師派遣や出前のサービスもしています。
これから紹介する生活再建支援カウンセリングも含めてですが、借り入れに関するさまざまな情報・サービスを取り扱っているのが、日本貸金業協会です。
生活再建支援カウンセリングとは?
日本貸金業協会が行っているカウンセリングサービスが、生活再建支援カウンセリングになります。
多重債務や借り入れし過ぎを繰り返してしまう場合、どこかに理由があると考えるのが妥当です。
理由として考えられるのは、収入不足や浪費癖、ギャンブル依存、買い物依存、見栄っ張りなどがあります。これらの理由のどれかに当てはまることもあれば、複数の要因が合わさって、多重債務になっている可能性もあります。
また、多重債務になりがちな家族を持っていると、周囲は非常に心配します。しかし、家族にお金の使い方や使い道を話すことは、辛いことも多いです。
さらに、多重債務の方は、借り入れ金額をまとめて融資するといわれて、闇金業者と関わりを持ってしまうかもしれません。
そこで、借り入れによって生活が破綻してしまった、または破綻してしまいそうな方におすすめなのが、日本貸金業協会が実施している生活再建支援カウンセリングです。
「借り入れをし過ぎたら、自己破産や代位弁済などの債務整理をすればいいだけでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし、何度も借り入れをし過ぎてしまう場合や、借り入れし過ぎの再発を絶対に防ぎたいという場合、重要なのは原因を分析し、カウンセリングを受けて支援してもらうことです。支援には、これから立てる生活の指針も含まれますので、借り入れ過ぎを解決した後についてもサポートしてくれます。
生活再建支援カウンセリングの相談料は無料で、公式サイトにある「貸金業相談・紛争解決センター」の電話番号(0570-051-051)に電話するか、生活貸金業協会支部を訪れるか、どちらかの方法で相談をすることができます。
また、生活再建支援カウンセリングは借り入れをする人だけでなく、借り入れをしすぎる家族を持つ方も可能なことを覚えておきましょう。
生活再建支援カウンセリングは具体的にどんなことをする?
生活再建支援カウンセリングでは、主に以下の3点のことを行います。
- 行動パターン改善
- 家族への心理的支援
- 家計の健全性を回復
駄目だとわかっていても借り入れをしすぎてしまう、または、痛い目にあっても変わらず借り入れをしてしまう方は、どうして借り入れをしてしまうかについて、カウンセリングすることになります。
借り入れの原因が、例えば、ショッピング依存や人付き合い、人恋しさから来る反動なのか、といったことを把握し、特定した原因と相談者の過去や現状、目標に合った解決法を提示していきます。
また、借り入れに問題がある方は、多くの場合において対人スキルに悩んでいるため、人間関係の修復や構築の仕方についても支援します。
家族が借り入れをしすぎてしまい、このままでは同じことを繰り返してしまうのではないか、闇金融に手を染めてしまうのではないか、犯罪行為に手を出すのではないか、このような悩みを抱えている方も、生活再建支援カウンセリングは対応しています。
生活再建支援カウンセリングを利用する場合、まずは生活再建支援カウンセリングを利用するに至った経緯を説明し、家族にどうなって欲しいか、家族とどう関わればいいのかについて把握します。
それから、家族や現状について抱える不安が和らぐようにカウンセリングし、借り入れのし過ぎ、多重債務といった問題を抱える家族とどう向き合うかの解決策を提示していきます。
生活再建支援カウンセリングは、多重債務者や借り入れに問題のある家族に悩む方への相談と解決の提示がメインです。
しかし、カウンセリングは解決策を提示して終わりというわけではありません。
もしも収入に難があったり、計画性に問題があったりする場合は、家計の収支を改善することで返済計画を作ります。また、収入を向上させたい場合は、スキル習得を支援します。この他にも、借り入れに問題が発生したのが利用者や家族の人間関係が原因の場合は、それらが解決して生活が経済的にも精神的に立て直せるように見守ります。
生活再建支援カウンセリング利用の流れ
借り入れ過ぎ、多重債務などによって問題が発生するのは、本人だけでなく、周りの家族もです。先述したように、生活再建支援カウンセリングは借り入れ利用者本人だけでなく、借り入れ利用者の家族もカウンセリングの対象にしていて、どちらも無料で相談できます。
しかし、無料のカウンセリングで、どれだけ効果があるのか疑問を持つと思います。
そのため、ここではカウンセリングの流れを把握しておきましょう。
借り入れ利用者本人
- 日本貸金業協会支部を訪れるか「貸金業相談・紛争解決センター」に電話
- スタッフへ相談に来た経緯と理由を伝える
- スタッフと一緒に現状の把握をする
- 借り入れ状況の支援と介入のための見立てをする
- 状況の解決策を提示する
- カウンセリング利用者が提示された解決策を実行する
- 以降の面接によって解決策を実行してどうなったかを把握
- 解決策が定着したのかを経済状況含めてチェック
- 方針の修正と新たな課題を提示することあり
- カウンセリングにて経過をチェックしていく
借り入れ利用者の家族
- 日本貸金業協会支部を訪れるか「貸金業相談・紛争解決センター」に電話
- スタッフへ相談に来た経緯と理由を伝える
- スタッフと一緒に現状の把握をする
- 借り入れ利用者にどうなって欲しいかの把握
- カウンセリング利用者の家族との関係改善と状況解決の見立てをする
- 状況の改善策を提示する
- 利用者が家族との関係修復
- 家族が借り入れし過ぎから立ち直るように改善策を実行
- 改善策に取り組んだ結果どうなったかを経済状況含めて報告
- 家族のその後をチェック
- 方針の修正と新たな課題を提示することあり
- カウンセリングにて経過をチェックしていく
生活再建支援カウンセリングはどのタイミングに利用すべきか
多重債務や借り入れ過ぎが発生した場合、はじめは借り入れしても完済すれば問題ないし、いざという時は債務整理をすればいいと考える方もいるでしょう。
しかし、債務整理した事実は、クレジットカードの利用歴やカードローンなどの利用歴を記録する信用情報にしっかりと記入されます。これによって5年から10年間はクレジットカードの利用と新規発行、ローンの借り入れが不可能になります。
したがって、原則として自己破産を代表とする債務整理は避けたい事態です。
生活再建支援カウンセリングを、「まだ完済できるから必要ない」と判断するのは非常に危険です。借り入れをし過ぎてしまうし、それが厳しい事態に繋がると判断した時には、気軽に生活再建支援カウンセリングを利用し、債務整理、いわゆるブラックリスト入りの結果を避けるようにしましょう。
また、多重債務を自己破産などの債務整理で帳消しにしたとしても、「自己破産をしたから問題ない」と判断するのは非常に危険です。
生活再建支援カウンセリングは、どうしてそのような事態になったのかの相談と分析、改善策の提示をしてくれます。自己破産をして次に借り入れができるのは最低でも5年後ですが、「どうして自己破産するに至ったか」の原因をしっかりと把握するのが有効です。
信用情報から自己破産というブラックリストの記録が消えるまでに、再発しないように生活を建て直し、経済状況を見直すようにしましょう。
日本貸金業協会は「家計の見直し」サービスもある
生活再建支援カウンセリングにて借り入れ癖の治療や、借り入れ状況の見直し、家族関係の修復・改善をしたいというわけではないけれども、自分の経済状況が不安になるという人は、日本貸金業協会公式サイトの「家計の見直し」を利用しましょう。
公式サイトにある「家計の見直し」は、カウンセリングするほどではないけれども、改めて自分の支出や借り入れ状況をチェックしたいという人におすすめな機能が揃っています。
生活費の支出は、基本的に毎月あまり変わらないものです。
家計やりくりチェックでは、家計バランスシートに1ヶ月の平均的な収入と支出を入力しましょう。住居費・公共料金・外食費・娯楽費・生活必需費などの各支出項目を埋めていきます。
収入と各支出項目を埋め終えると、収入から支出を引いたものが表示され、普段の収入と支出のバランスをわかりやすく把握することが可能です。
もしも結果がマイナス(赤字)だった場合は、支出をチェックできそうな箇所に改善プランを記入しましょう。そうすることで、普段の生活にてどこを訂正できるかをおおまかに把握できるようになっています。
こちらは、家計やりくりチェックをもっと詳細にしたもので、普段の収入と支出と借入状況を細かく記入していくものです。
すべての項目を入力すると家計収支診断を受けることが可能です。
そして、家計収支診断の結果から、自分の経済状況を改善させるには、家計のどの部分を変化させるべきかというのを考え抜き、変化できる部分を記入してみましょう。
家計において、変化させた項目がどのような結果をもたらすかは、生活変化後の家計の診断結果で確認できるので、自分の生活を詳細に検査したい人におすすめになります。
普段、どれくらい借り入れをしていて、その結果としてどれくらいの借り入れが可能か知りたいという人は、借入余裕度診断を活用しましょう。
ローンはお金が必要な時に、非常に強力なサポートになってくれますが、借り入れのし過ぎは厳禁です。
借入余裕度診断は、3年以内に完済可能というのを目安に、どれだけ借り入れできるのかをチェックしてくれます。
借入余裕度診断をさらに詳細にしたものが、返済シミュレーションです。
借り入れの返済は、実際にはプラン通りに行くことが少なく、予想外の事態が発生しがちなものです。
そこで、返済シミュレーションで各項目を入力することで、返済するのにどれだけかかるのかをチェックすることができます。
この返済シミュレーション機能は、日本貸金業協会以外にも、借り入れしているカードローンの公式サイトで実施していることがあります。気になったら、まずは自分が借り入れしているカードローンの公式サイトにアクセスしてみましょう。
日本貸金業協会には貸付自粛制度などのさまざまな支援がある
日本貸金業協会には、これまで説明したものの他にも、いくつかのサービスがあるので、チェックしておきましょう。
借り入れ過ぎ、多重債務といった状態に陥るのは、なによりも借り入れが可能な状況があるからです。
生活再建支援カウンセリングで、借り入れ癖やショッピング依存症、ギャンブルへの熱中が収まらないと判断した場合、借り入れをできなくすることで、問題の解決を図ることができます。
そんな時に有用なのが、貸付自粛制度です。
本人か法定代理人、3親等内か同居している親族のみが貸付自粛制度の手続きが可能です。
手続きが完了することで、5年間は借り入れが一切できなくなります。
5年間借り入れができなくなるのは自己破産などの債務整理も同じですが、こちらの方が周囲に知られた時のダメージを大きく減少させられることでしょう。
なお、貸付自粛制度は、本人以外が手続きをする場合は、本人が失踪などで連絡がつかないことが重要な条件になります。
また、貸付自粛制度の手続きをしても3ヶ月後には撤回申請が可能ということも覚えておきましょう。
日本貸金業協会は借り入れをしてしまう自分や家族だけでなく、不当な借り入れをして困っているといった相談にも対応しています。
「契約内容に不審な点がある」、「借り入れが膨らみすぎて整理したい」、「もしや闇金から借り入れしてしまったのかも」という相談にも無料で対応してくれます。
そこから、相談に応じて苦情申立てか紛争処理手続きをすることができるようになっています。
苦情申し立て
契約内容に不満があるとの申立てをされた日本貸金業協会は、融資をしている側へ、事実確認と調査を依頼することになっています。
契約内容を融資側が調査し、貸金業協会側が融資側に指導をします。そして、申立人には、債務整理も含めた不満解決の助言をすることとなっています。
こういった話し合いと調整をして、申立人と融資側の合意を探っていくのが苦情処理手続きです。
合意を得られた場合や、120日間が経過しても合意を得られない場合は、苦情申立て手続きを終了します。
苦情申立てから3ヶ月経過すると、申立人の希望によって、紛争処理手続きに移行可能です。
紛争処理手続き
申立人と融資側の交渉では妥協できないとなった場合、紛争処理手続きをすることができます。
日本貸金業協会の紛争解決センターが申立人と融資側の間に立ち、紛争処理手続きの申立てを受理して、融資側に紛争処理手続きをする旨を通知します。
それから紛争処理手続きを担当する紛争解決委員を選び、紛争解決手続きを始めます。
紛争解決委員は、融資側が提出した答弁書を申立人に送り、申立人・融資側・参考人それぞれの意見を聞いて事実確認します。
申立人と融資側の聴聞を行った後に、紛争処理手続きにおける和解案を提示します。
和解案を受諾すれば紛争処理手続きが終わり、受諾できない場合は特別調停案を作成して申立人と融資側に送ることになっています。
この特別調停案を受諾すれば和解書が作成され、受諾を拒否して紛争処理手続きの申立て受理から180日経過したら、紛争処理手続きは終了となります。
日本貸金業協会は消費者金融やクレジットカードなどの利用についてのみ相談可能
日本貸金業協会にて取り扱っているのは、あくまでクレジットカードやカードローン関係の借り入れがメインというのは覚えておきましょう。
例えば、銀行からの借り入れに問題がある、相談したいことがあるという場合は、全国銀行協会に相談しなければなりません。
全国銀行協会相談室でも、貸付自粛制度や苦情申立て、紛争処理手続きは可能ですので、銀行からの借り入れと消費者金融やクレジットカードの借り入れを混同しないように気をつけましょう。
ハードルが低く、本人・家族問わず無料利用可能なのが生活再建支援カウンセリングの強み
消費者金融によるカードローンからの借り入れだけでなく、クレジットカードでの支払いも、実質的に借り入れや借金という扱いになることがあります。
お金に困ったり、どうしても欲しいものがあったり、ギャンブル依存症になってしまったりすると、どうしても借り入れやカード払いが膨らんでしまいます。
それによって、複数からの借り入れをする多重債務者になってしまうと、金利によって総支払額が巨大化しますし、スケジュールの管理も難しくなります。
返済が困難になれば自己破産などの債務整理をすればいいと開き直ることもできますが、どうしてそうなってしまったのかチェックするのが大切です。
完済できても同じ状況に何度もなってしまうのであれば、根本を治す必要があります。
日本貸金業協会が行っているサービスの生活再建支援カウンセリングは、借り入れ利用者だけでなく、借り入れ利用者の家族も相談することが可能です。
生活再建支援カウンセリングを利用するには、電話で予約してから日本貸金業協会の支部を訪れるか、電話で相談するという手段があります。
生活再建支援カウンセリングを受けるには、まずどのような経緯で相談するに至ったのかと、現状の希望を伝えることになります。
そして、スタッフは相談を受けて事態の改善案を提示し、利用者が借り入れ過ぎを防いだり、利用者である家族への接し方を改善できるようにしたりします。
借り入れのし過ぎは日常的に不満を抱いていることが原因なことも多く、経済的な建て直しのアドバイスに留まらず、精神的なアドバイスをするのも特徴です。
そして、改善案を実行してどうなったのかを報告し、そこから改善案を定着できるのか、改善案をさらに改良できないか、これからどうすべきかの分析と修正をします。
改善案を実行してからもカウンセリングを続け、多重債務などの状況を、本人も家族も防げるようにします。
生活再建支援カウンセリングは相談料金が無料ですし、家族の浪費・ギャンブル依存症に困っているという人も相談できるのが大きな特徴でしょう。
また、生活再建支援カウンセリングをするまでではないが、現状の生活が気になるという人は、日本貸金業協会公式サイトの「家計見直し」にて、現状の生活状況や借り入れ状況と改善の余地を算出してくれます。
借り入れをしている最中、自己破産を検討している時、自己破産をした後、どのケースでも生活再建支援カウンセリングは非常に有効な効果を持っていて、家族がそういった状況にいるという人にも極めておすすめできます。
消費者金融やクレジットカードの借り入れで困っているという人は、気軽に生活再建支援カウンセリングへ無料相談をしましょう。