セブン銀行の新型ATMって何が違う?メリットと今後予想される課題について調査しました

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全国コンビニチェーン店であるセブンイレブンが、2019年9月12日に新型ATMをお披露目しました。セブンイレブンのセブン銀行ATMは2019年11月時点で全国にて約2万4千台が稼働していて、これからどんどん新型との入れ替えをしていくとのこと。2020年の東京オリンピックが開催される時点では都内全域、2024年には全国のセブン銀行ATMが新型になっているとしています。


さて、それでは期待の新型セブン銀行ATMとはどのようなものなのでしょうか? ゼニエモンが解説していきます。


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    新型ATMはここが違う!

    セブン銀行の新型ATMの目玉は顔認証機能とQRコード読み取り機能のツートップです。


    顔認証機能

    顔認証機能には日本電気(NEC)の認証技術が使われています。まずは、免許証・パスポート・マイナンバーと言った顔写真付きの本人確認書類を読み取らせ、それから新型セブン銀行ATMに目の前の自分の顔をスキャンしてもらい、マッチング完了とできます。


    こういったことが可能になると、本人確認書類の提出が必要になった場合も、新型セブン銀行ATMの顔認証機能を利用することで、これまでのような顔写真つき本人確認書類の提出や郵送物のやりとりをする必要を大幅カットできます。


    現時点でも消費者金融や銀行に無人契約機があり、そこで人のいない環境での口座開設手続きや契約手続きをすることが可能です。しかし、こちらはあくまで無人という体で手続きを進められるというもので、テレビ窓口でのやり取りや人を介した確認作業などはどうしても必要でした。


    しかし、新型セブン銀行ATMでは、重要な本人確認という手順をカットすることができます。これによって、本当の意味での無人契約機の誕生は、実現に大きく近づいたと言えるでしょう。


    実際に、2019年10月から新型セブン銀行ATMによる口座開設手続きの実証実験をしていて、実現へ動いている最中です。この実験結果をフィードバックすることによって、近い将来には口座開設に銀行へ行くこともやりとりをすることも一切なくなる未来だって夢ではないかも?


    顔認証機能を使っての出金や入金が浸透することで、セキュリティ面でも大幅の向上が見込めます。例えば、クレジットカードを抜き取られて、不正利用をされてしまったということや、家族や友人にカードを抜き取られて勝手にATMから引き落とされてしまったという場合です。


    QRコードや非接触型ICに対応

    そして、新型セブン銀行ATMは、QRコードの読み取りや非接触型ICのチャージに対応します。都市部ではキャッシュレス決済還元キャンペーンや、カード払い対応店舗の増加、コード決済アプリの特典利用によって、現金離れが進行しています。


    新型セブン銀行ATMにてQRコード読み取りに対応するということで、QRコード決済アプリはさらに進化する可能性が高まります。例えば、銀行ATMでの読み取りに対応することで、QRコードアプリのチャージ残高から口座残高への移行が出来る可能性が生まれます。加えて、特典が豊富というQRコードアプリの性質から新型セブン銀行ATMとの提携キャンペーンが始まる可能性もあるでしょう。


    新型セブン銀行ATMならカード不要!?

    顔認証機能が搭載された新型のセブン銀行ATMならば、本人認証にて自分の顔を登録すれば、出金と入金にカードが要らなくなる可能性も出てきます。例えば、お金が必要だけれども、カードを忘れてしまったか家にあるという場合に、新型セブン銀行ATMでは顔認証機能を活用してのお金の引き出しが出来るようになるかもしれません。


    また、こちらの場合はクレジットカードを活用する必要がないため、セキュリティ面でも安心・安全でカードを財布から取り出すことの面倒臭さや、カードをATMに忘れてしまうという事故を無くすことができます。


    新型セブン銀行ATMのコンセプトは「ATM+(プラス)」。ATMの歴史が大きく変わる可能性を、新型ATMは秘めていると言えます。


    新型セブン銀行ATMは他にもここが違う!

    これから全国的に導入されていく新型セブン銀行ATMは、多くの面でアレンジが加わっています。QRコードの読み取りや非接触型IC読み取りをする部分は、新型セブン銀行ATMの、向かって左下部木目調箇所にあり、シックでおしゃれな感じになっています。この箇所では本人確認書類の読み取りにも対応しており、これからも機能が追加されていく気がします。


    バイザーが大きく、曲面に

    そして、本人確認書類の読み取りが可能になったということは、それだけプライバシーやセキュリティ面の重要性が高まったということです。新型セブン銀行ATMは筐体を覆うバイザーを旧型よりも大きくし、ATM利用の個室性を高めようとしています。


    また、新型セブン銀行ATMは顔認証機能やQRコード読み取り機能に加えて、Bluetooth機能も付帯されています。これによって、スマホと新型セブン銀行ATMを接続し、クーポンやおすすめ情報を提供することができるようになります。


    車椅子の方にも使いやすく、ドリンク置き場・傘かけ・買い物袋かけもある

    操作画面は上下一体型のデュアルディスプレイを採用していて、体感的に自分が何を操作しているのかわかりやすい仕組みにしています。それだけでなく、インターフォンなどの位置を低くすることで、車椅子利用者の方も操作しやすいようにしていて、電話機もATM下部に設置しています。


    他にもドリンク置き場・杖置き・買い物袋かけがあり、手が塞がっているときでもちゃんと操作できる心配りがされているので、急に現金が必要になった方にも安心でしょう。


    ヘルスケア機能と地震計も設置

    新型セブン銀行ATMは血流を読み取る機能があり、それを使っての簡単なヘルスケア機能もスタートする予定となっています。コンビニは全国何処にでもありますし、利用する上での心理的ハードルも低いものになります。


    どれくらいの精度かつ、どこまでを判定してくれるかは未知数ですが、コンビニで健康診断をしてもらうというのは、忙しい日々を送る方や病院が遠い方に大きな助けとなることでしょう。


    さらに、新型セブン銀行は地震計を設置していて、地震が起きた時のデータを共有し、地震に対する対応力と予測力を向上させるとしています。


    何故この時代にATMの新型を?

    クレジットカードの支払いが一般化し、キャッシュレス還元キャンペーンによって国を挙げてキャッシュレス推進をしている時代。あえて新型セブン銀行ATMを導入する意味はあるのか? という疑問もあります。


    セブン銀行社長の舟竹泰昭氏は、セブン銀行ATMが「コンビニにATMがあればいいのに」という需要から生まれたと語りました。しかし、今はキャッシュレス決済の時代です。「ATMがオワコンになる」という声もありました。オワコンとはコンテンツが終了している、ユーザーからの需要がなくなっているという意味の単語です。つまり、ATMはこれから徐々に消えていくものだという声が多いという意味になります。


    セブン銀行ATMもオワコンになる!?

    需要がなくなり、廃れていくのがオワコンのニュアンス。しかし、セブン銀行新型ATMは2019年9月時点でゆうちょ銀行ATMに次ぐ国内2位の設置台数25,319台(出典:東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/302869?page=2)です。つまり、単純計算をしても25,319台÷47都道府県→1県あたり平均約538台もあるということです。全地域をほぼカバーできる十分な設置台数と言えるでしょう。


    セブン銀行ATMは出金と入金時に、提携銀行からセブン銀行へ支払われる手数料を収益の柱にしています。そして、セブン銀行ATMは、24時間にわたって企業の売上金を入金できる「売上金入金サービス」も展開しています。


    「売上金入金サービス」は、セブン銀行ATMを設置しているセブンイレブンそのものも利用することになっています。通常の銀行は設置しているATMに現金を補充する必要がありますが、セブン銀行ATMは「売上金入金サービス」で多額のお金をATMが物質的に補充し、出金対応のための現金補充コストを下げる効果を持っています。


    しかし、手数料を主に活用するセブン銀行ATMの利用頻度はどんどん下がっています。原因は提携している地方銀行が続々とセブン銀行ATMの利用手数料を有料にしたこととされています。


    経営に困った地方銀行がATM手数料を値上げさせ、手数料を嫌ったユーザーがセブン銀行の利用をしなくなるという悪循環が発生しかねません。こういった状況からも、ATMがオワコンという声ができてました。そんな声に対して、舟竹泰昭氏は「現金取引を望む声はまだ多い」と語りました。


    実際に、全国いたるところにあるコンビニにて、出入金ができるコンビニATMの利便性は計り知れないところがあります。セキュリティの面からも銀行ATMを24時間どこでも利用するというのは難しいものがありますが、コンビニATMならば24時間365日いつでも可能です。


    キャッシュレス決済促進の世情においても、現金支払いのみのお店は数多くあり、個人営業店舗では現金支払いのみが一般的ですらあります。あの店に入りたいけれどもカード払いに対応していないから……ということで回れ右をした経験のある方は多いことでしょう。


    そんな時に、近くにコンビニATMがあれば、お金を引き落としてカード払い非対応のお店を利用できます。


    新型セブン銀行ATMの実証実験が行われていた

    2019年10月28日から2019年12月20日まで、セブン銀行 丸の内 共同出張所とセブンイレブン 丸の内センタービル店 共同出張所、2019年10月31日から2019年12月20日までのセブン銀行 新宿歌舞伎町コーナー 共同出張所にて、新型セブン銀行ATMを使った実験が実施されていました。


    実験内容はATMでの顔認証機能が正常に機能するのかということと、本人確認書類の読取機能を活用した非対面での口座開設が正常に実現されるのかということでした。開設できる口座はセブン銀行の普通預金口座のみとなっており、デビット・クレジット機能は別途の申込が必要でした。


    実験参加条件はセブン銀行口座を持っていない方で、日本国籍を持ち、運転免許証のある方になっていました。セブン銀行口座を開設していない方で歌舞伎町や丸の内にアクセスできる方というのは条件として、少し狭いかもしれません。ですが、新型セブン銀行ATMはATMの新たな夜明けになるポテンシャルを十分に持っています。


    実験は終了したため、今後正式に新型ATMが導入されていくことになりそうです。


    実験の手順はATM経由とウェブ経由があった

    ATM経由
    • 運転免許証とスマホを準備
    • ATM画面右下ボタンから「セブン銀行口座開設」を押す
    • 利用明細表のコードをスマホ読み取り
    • 表示されるウェブサイトで必要情報を登録
    • 発行される利用明細表を保管
    • 2週間後にキャッシュカードが郵送
    • キャッシュカードを受け取る

    WEB経由
    • 運転免許証とスマホを準備
    • スマホでセブン銀行実証実験公式サイトにアクセスする
    • 「実証実験に参加して口座を開設する」をクリック
    • 必要情報を登録
    • 表示されるQRコードをスクリーンショット
    • スクリーンショットしたQRコードのあるスマホを持って実験実施セブン銀行ATMへ
    • ATM画面右下ボタンから「セブン銀行口座開設」を押す
    • スマホに撮ったQRコードのスクリーンショットを表示して、ATM左下の読み取り機にかざす
    • 発行される利用明細表を保管
    • 2週間後にキャッシュカードが郵送
    • キャッシュカードを受け取る

    ATMから発行される利用明細表はキャッシュカードを受け取るまで必ず保管しておきましょう。もしも、キャッシュカードが届かないようでしたら、セブン銀行テレホンセンターに電話すると対応してくれます。


    新型セブン銀行ATMのメリットとデメリット


    メリット

    手続きが簡潔に

    顔認証機能を用いると、新型セブン銀行ATMだけで、本人確認ができるようになります。本人確認書類のコピーなどを郵送して提出するのは面倒なことが多く、なおかつ本人確認書類をコピーとは言え預けるのは不安に感じる方も多いことでしょう。


    しかし、新型セブン銀行ATMでは、運転免許証やマイナンバーと言った顔写真付きの書類をスキャンしてもらい、顔認証機能を使うことでその場で手続きができます。こういった手続きの速さによって、すぐにお金を借り入れしたいという方のニーズも応えられるようになります。


    カードローンなどの借りやすさや特典も?

    セブン銀行ATMはSMBCモビットのようなカードローンからの借り入れができ、これに加えてセブン銀行自体もカードローンを行っています。セブン銀行のカードローンなので、当然セブン銀行ATMからの出金と入金に対応しています。


    新型セブン銀行ATMはBluetooth機能を持っていて、スマホに接続すると他のお得なクーポン情報を配信するという機能があります。セブン銀行カードローンも新型セブン銀行ATMとリンクしたおトクな特典が配信される可能性が高いと思われます。


    カードなしの出入金

    キャッシュカードやクレジットカードを使わない出入金は、将来的にはATMの待ち時間を大幅に少なくし、事故のリスクを減らす効果があります。カードをATMに忘れると不正利用される危険がありますし、忘れたことに気づいた時の精神的負担が大きくなります。


    もしも、旅行先のATMでカードを取り忘れてしまった場合、その後の旅行そのものをずっと憂鬱な気持ちで送らないといけなくなります。ですが、新型セブン銀行によって顔認証による引き落としが一般になると、カード紛失のリスクが劇的に改善されるでしょう。


    QRコード決済アプリとの提携や特典、利用用途の拡大

    新型セブン銀行ATMはQRコード読み取り機能を搭載し、銀行口座からの直接チャージが可能になる見込みです。そして、新型セブン銀行はスマホにおトクなクーポン情報を配信できるようになっています。


    これによって、PayPayなどの提携QRコードにクーポンが配信されることが予想されます。また、銀行ATMでQRコードを読み取れるようになるということは、出入金の支払いをQRコードアプリで決済できるようになるということです。家賃の支払いなどは、チャージ限度額の関係からすべてを払うのは難しいかもしれませんが、オークションの支払いなどを処理し、それによる還元を得られることはありえます。


    予想されるデメリット

    ATMに対応しきれる機能?

    新型セブン銀行ATMは「ATM+」をコンセプトとするように、これまでのATMからさらに機能を拡大するものとなっています。しかし、新型セブン銀行ATMが数多くあるとは言え、口座開設なども対応していくとなる場合、現状のATMの数でこなせるのかという疑問も出てきます。


    また、完全に新たな領域の機能であり、血流スキャンからのヘルスケアにも対応していく予定ということから、セブン銀行ATMは常にこんでいる……ということになる可能性もあります。


    セブン銀行ATMの全国店舗数


    全国にはまだセブン銀行ATMが少ない店舗もあります。こういった土地でのセブンイレブンとの関わりもどう変化していくのか、予想しにくくなっています。


    利用者一人あたりが取る時間の長期化

    新型セブン銀行ATMはさまざまな機能が追加されていくとのことですが、それによって対応できることが増え、利用者1人あたりの利用時間が上がっていく可能性があります。スマホもそうですが、多機能になっていくとついていけない高齢者の方が増えていくものです。手続きをしたいが、使い方がわからないという方よって、時間が取られてしまう可能性があります。


    また、ヘルスケア機能などの新機能を搭載することで、子供たちが遊びで健康診断をしてしまうということもありえます。ATMが一種の溜まり場に変わっていくかもしれません。


    新たな時代を予感させるのが新型セブン銀行ATM

    これまでのATMに無かった機能、要望が多かった機能を搭載するという「ATM+」をコンセプトにした、新型セブン銀行ATMが実験を実施しています。顔認証機能・QRコード読み取り機能・Bluetooth機能を搭載させた新型セブン銀行ATMは、2020年には都内全域、2024年には全国中に普及させる見込みとのことです。


    新型セブン銀行ATMは本人確認書類読み取り機能を持っています。それに顔写真付きの運転免許証・マイナンバーカードなどを読み取らせてから、顔認証機能を使って本人照合をすると、完全無人で口座開設手続きが可能ということです。


    これは多くの可能性を持っていて、将来的には顔認証のみで入出金ができるようになり、カードを使う必要がなくなるかもしれません。これによってセキュリティ面とプライバシーは格段に強化されることでしょう。


    そして、新型セブン銀行ATMはQRコード読み取り機能があり、銀行口座からの直接の残高チャージが可能になるということです。加えて、Bluetooth機能によってスマホと新型ATMを接続し、スマホにクーポンなどの特典情報も配信できるようになります。


    それ以外にも、新型セブン銀行ATMは血流をスキャンできることからヘルスケア機能が搭載され、災害対策に地震計も設置されます。


    セブン銀行ATMの設置数は国内にてゆうちょ銀行ATMに次ぐNo.2。新型セブン銀行ATMの登場により、SFのような顔認証システムが搭載され、これからどうなるか実に楽しみです。



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