資産運用をした方がいい理由は?商品ごとのメリット・デメリットを分かりやすく解説!
社会人になり、結婚、出産、住宅購入、転職など、生きていればどこかで起こり得る人生のイベント。
そのイベントに備えたり、何かあったときのためにと、少しずつ貯金をしている方もいることでしょう。
でも、今は定期預金をしても平均利率は0.003%(※)。
もらえる利息は100万円を1年預けても25円(税引後)、積立定期預金で1万円を5年積み立てても60万円につくのはたった16円(税引後)と、涙が出そうな金額です。
そこでお金の管理に長けている人たちが「貯金するくらいなら資産運用した方が良さそう。」と色んなところで資産運用を進めました。
その結果、証券口座の申込数は増え、政府も2014年1月から税制優遇制度のNISAなどを始めて、以前よりも資産運用が身近なものとなりました。
でも、これまで貯金で過ごしてきた人は「資産運用って損しちゃうんじゃないの?」「資産運用って言われても良く分からない」と聞かないフリをしてしまいがち。
ゼニエモンも最初は皆さんと同じで、「操作が難しそうだし、難しそうだな」という印象を持っていました。
そこで、このページでは貯金と資産運用の違いをはじめ、資産運用はした方がいいのか、デメリットはあるのかなど、まとめてみました。
資産運用をした方がいい理由
資産運用には、大まかに4つのメリットがあります。
例えば投資信託で資産運用を始めた場合、たまに気になる商品を購入する以外、自分でなにかをする必要はありません。
投資信託で得る利益は世界や国内の情勢で決まるため、自分は値動きやニュースのチェックをするだけになります。
資産運用を始めると、為替相場や経済の動向に自然と目が行くようになります。
そのほかにも、資産運用をすれば確定申告が必要な場合もあるので、税金について学ぶことができます。
例えば10年前に買ったチョコレートと今のチョコレートは、価格も容量も違いますよね。
これは物価が上昇したことで、商品の値段を上げるしかなかったり、同じ金額に抑えるために容量を減らしたりした結果です。
10年前と比べると今は同じチョコレートでも量が少ない、またはサイズが同じだとしても値段は100円以上となり、お金の価値が目減りしているのです。
そこでおすすめなのが、資産運用です。
資産運用は物価上昇率に合わせ、リターンを狙うことができます。
例えば25年前に貴金属(K18)のピアス(1g)を298円(※)で購入したとします。
今のK18ピアス(1g)は6,816円(2021年9月27日調べ)まで価格が高騰しており、実に6,000円以上の利益が出る計算です。
※今から25年前には破綻したジュエリーマキで、298円のK18ピアスが本当に売っていたんですよ!(笑)
物価上昇に対応するには、現金ではなく金や債券、株式、投資信託といった商品を購入するのがいいでしょう。
今は、様々な資産運用の形式(商品)があります。
NISA・つみたてNISAの投資信託は100円から購入することができるので、昔よりも始めやすくなったのは確かです。
またネット証券・ネット銀行も普及してきて、PCはもちろんスマホ1つで口座開設ができ、以前と比べてかなり身近になりました。これも大きなメリットでしょう。
資産運用をした方がいいポイントは、ゼニエモン的にこの4つが大きいかなと思っています。
でも「上手くできそうにない」「失敗しそう」というイメージを持つ人がいるように、資産運用はメリットばかりではありません。
資産運用にはデメリットもあるので、それを知っておくことも大切です。
資産運用のデメリット
まず資産運用を始めるにあたり、知っておかなければいけないことがあります。
それは資産運用は必ずプラスになるものではない点です。
つまり、資産が減る可能性もあることがデメリットのひとつです。
資産運用のシミュレーションではプラスになったとしても、世界情勢はいつどんなことで変わるのかは分かりません。
預けてから5年はプラスだとしても、その後すぐに暴落する可能性だってあるのです。
しかし、5年間プラスだったものがある日マイナスになったとしても、プラスがマイナスをカバーできれば最終的にはプラスです。
そのため、資産運用は「上手に運用する」ことが大切になってくるのです。
そのほかのデメリット
預けてすぐにお金が増やせるわけではない
銀行にお金を預けたからといって、すぐに金利がつくことはありません。
資産運用も資産を運用するので、利益を出すためには「長期運用」が必要となってきます。
例えば1万円を3ヶ月運用したとしても、その期間では9,800円に目減りすることもあります。
1年や3年など年単位で運用して、プラスが重なることで小さなマイナスをカバーできるのです。
日々の積み重ねこそが、運用を支えるということですね。
短期間で大きく資産を増やせるわけではないため、すぐに資産を増やしたい方や将来を見据えた運用が楽しめない方には難しいとも言えます。
また、お金をすぐに引き出してしまう方にも向かないでしょう。
プラスになるまでには歳月がいる
上記と少し被りますが、資産運用は『資産を運用』するので、お金が芽を出し育つまで時間がかかります。
時間というよりも歳月と言った方が正しいかもしれませんね。
たった1日では大きく育たないので、幹の太いものにするには何年も運用する必要があるでしょう。
では、これから資産運用にはどんなものがあるのか見ていきましょう。
資産運用の種類
ここでは、上から順に初心者でも始めやすいもの、続いて中級者向け、上級者向けとなります。
初めて資産運用をする人でも情報を蓄え、知識を得ればどんどんステップアップすることが可能ですよ。
積み立て預金
積み立て預金は、毎月決めた額を銀行口座から引き落として貯める貯金です。
例えば利回りが年0.1%で毎月1万円を5年間貯めた場合、満期で受取れる金額は60万1,216円(税引後)になります。
インフレには弱いですが、もっとも始めやすい資産運用と言えばこの2つです。
- ローリスク・ローリターン
- 最低投資額:1,000円から
おすすめできるポイント
毎月1,000円から金額と年数を決めて積立していけるので、毎月3,000円など無理のない範囲でできるのが良いところです。
貯金をしたことがない方ならなおのこと、貯める・金利が付く・税金が差し引かれるという基本的な仕組みがわかるのでおすすめです。
気を付けるべきなのは、定期預金は途中解約すると金利が下がってしまう点です。
途中解約はせず、なるべく満期まで積み立てを頑張りましょう。
個人年金保険
こちらは、民間の生命保険会社で加入できるものです。
年齢・契約期間・毎月の掛け金・保険会社の利益などで、利回りによる受取額が異なります。
また旧・新制度の生命保険料控除が受けられるので、節税の効果も得られます。
- ローリスク・ローリターン
- 最低投資額:年齢と保険会社により異なる
おすすめできるポイント
個人年金保険は、日本生命や第一生命など民間の保険会社で扱っています。
年金保険と言っても元は保険なので、入院保障も付けることが可能です。
なので、入院保障を付けながら年金を運用していく選択肢もありでしょう。
まだ生命保険に加入していない人や、引き落としじゃないとお金が貯められない人におすすめです。
気を付けるべきところは、契約から解約までまでの期間が短い(3年未満など)と解約返戻金が少ないことです。
こちらも長期で掛けていくことがメリットとなる商品なので、続けることが大切です。
NISA
株式投資や外国株の売買などで発生した利益に対し、年20.315%の税金がかからない制度になります。
NISAを利用すれば、最長5年間・最大年120万円を非課税で投資が可能です。
株式投資・投資信託に初めて挑戦したい人で、5年の運用を考えているならNISAを選びましょう。
- 投資商品により異なるがローリスク・ローリターンも可能
- 最低投資額:100円から
おすすめできるポイント
NISAは毎月10万円以内の投資額で、5年間の運用をしてみたい人におすすめです。
またNISAで投資できるのは株式投資信託・国内外株・国内外ETF・ETN(上場投資証券)・国内外REIT・新株予約権付社債(ワラント債)なので、上記の金融商品に投資したい人はNISAがおすすめです。
ちなみに、NISAは基本的には5年間しか運用できませんが、「ロールオーバー」と呼ばれる仕組みを利用すると、さらに5年非課税で投資できます。
ですが、ロールオーバーするときに書面での手続きが必要となり、ネットや自動での手続きはできない点に注意が必要です。
つみたてNISA
つみたてNISAは、最長20年間積み立てしながら運用できる商品です。
利益は、NISAと同じように毎年最大40万円の範囲内まで非課税となります。
NISAと違う点は、つみたてNISAは継続的に積み立てていくこと、投資信託とETFしか購入できないことです。
投資信託で10年スパンの長期運用をしてみたいときは、つみたてNISAの口座を作ると良いでしょう。
- 投資商品により異なるがローリスク・ローリターンも可能
- 最低投資額:100円から
おすすめできるポイント
つみたてNISAは長期・積立・分散投資に適しており、信託報酬が低く販売手数料が0円(ノーロード)の商品、頻繁に分配金が支払われない商品などがあります。
NISAよりも購入できる商品が限られているので、投資信託はしたいけれど購入タイミングが分からない人(積立なので決めたタイミングで自動買い付けしてくれます。)や長期運用をしていきたい人におすすめです。
気を付けなければいけないのは、スポット購入はできないこと、40万円を超える金額は設定できないところです。
債券投資(個人向け国債)
債券には個人向け国債というものがあり、毎月1万円から1万円単位で申込めます。
元本や半年ごとの利子は日本国政府が責任を持って行なうので、安心感があるでしょう。
債権を保有している間は利子を得ることができますが、売却のときに差損が発生して元本割れすることもあります。
- ローリスク・ローリターン
- 最低投資額:10,000円から
おすすめできるポイント>
個人向け国債は、金利の下限が0.05%となのでリスクが抑えられる点が1つのポイントです。
ローリスク・ローリターンで市場金利の上昇を期待したい人には、向いていると言えるでしょう。
気を付けるべきところは、原則1年間は中途換金ができないところです。
投資信託
投資信託とはファンドマネージャー(プロの投資家)にお金を預けて運用していく金融商品です。
証券口座を作っておくことで、気になる銘柄を100円から投資することができるのが投資信託の良いところです。
- ミドルリスク・ミドルリターン
- 最低投資額:100円から
おすすめできるポイント
100円から銘柄を選んで投資できるので、投資信託は少額投資をしたい人に向いています。
また、勉強がてら資産運用を始めてみたい人や、長期の資産運用を考えている人にもおすすめです。
楽天のポイント投資を活用して、自分の楽天ポイントで投資できる商品を買ってみるのもいいでしょう。
ちなみに、自分で銘柄を選ぶ自信がない人は、手数料は少し高いですがロボアドバイザーの投資信託がおすすめです。
気を付けるべきところは、投資信託は投資であり預金ではない点です。
リスクを含む商品であるため、価値の減少もあり得ます。
リスクがあるということを、決して忘れないようにしてください。
iDeCo
iDeCoは老後資金を作る年金制度で、個人で掛け金を運用していくものになります。
加入条件は国内在中の20歳以上60歳未満となり、国民年金・厚生年金と言った公的年金に加入している人が加入できます。
自営業や学生で国民年金保険料の免除、もしくは特例制度を受けている人は加入できません。
最低5,000円から始められますが、60歳になるまで引き出すことはできません。
- ミドルリスク・ミドルリターン
- 最低投資額:5,000円から
おすすめできるポイント>
iDeCoは掛け金全額所得税控除の対象であり、利息と運営益が非課税、受取時も一定額まで税制優遇(※)と、働きながら老後の資産を残したい人におすすめです。
また60歳までは引き出しはできないので、浪費癖があるけど老後は不安という人にも良いでしょう。
※条件があるため利用先で確認してください。
気を付けておくべき点は、投資の上限が自営業者は月額68,000円、会社員・公務員・企業年金がない人は月額23,000円、企業型DCに加入してい人は月額2万円と決められていることです。
また元本割れといったリスクもあるため、その理解も必要となります。
不動産投資
不動産に投資し、その不動産を賃貸に出して賃料を得るものです。
聞こえはいいですが、空室があればその分収入が入らず、外壁や室内(水回りや空調の配管)などのメンテナンスも必要です。
- ミドルリスク・ミドルリターン
- 最低投資額/不動産により異なる
おすすめできるポイント
不動産が持てるくらいの資産がある人や両親から不動産を引き継いだ人など、資金面に余裕がある場合におすすめです。
気を付けておくべきところは、やはり空室・家賃の滞納・修繕のリスクでしょう。
そのほかにも、売却価格に変動がある点にも注意が必要です。
株式投資
株取引は、投資した企業の業績により株価が上下します。
安いときに買い、高いときに売ると利益が出ますが、その逆になると損が出てしまいます。
元本が保証されているものではないことを理解することが必要です。
- ハイリスク・ハイリターン
- 最低投資額/銘柄により異なる(100株×1あたりの株価)
おすすめできるポイント
国際情勢で株価が動くため、ニュースはもちろん、あらゆるジャンルの情報を調べるのが好きな人におすすめです。
気を付けるべき点は、借金をしてまで投資をしないこと、今ある資産以上の取引に手を出さないなど、マイルールを作ることです。
取引がうまく行くと気持ちも大きくなりがちなので、冷静に判断することが大切です。
FX
FXは、日本円を海外通貨として売買する金融商品です。
例えば100円=1ドルと仮定して、円を1,000米ドルに交換したとき、1ドルが105円になったタイミングで全額売却すれば5,000円が利益になる仕組みです。
値動きの上下が細かいため、タイミングが大事になる商品と言えるでしょう。
- ハイリスク・ハイリターン
- 最低投資額:1,000通貨から
おすすめできるポイント
FXは値動きが大きく上下するので、ひとつの取引で落ちこんだり喜んだりせずに、分析をしながら取引ができる人におすすめです。
また、国際情勢の情報を調べるのが好きな人にも向いているとも言えます。
気を付けるべき点は、レバレッジをかけて大きな取引を行わないようにすることです。
レバレッジを最大にすると約4,000円を使えば取引することも可能ですが、損をしたときに大きな損益が出てしまいます。
マイルールを作ってから、少しずつ流れを掴むことが大切です。
ゼニエモンの余談
最近名前を聞く仮想通貨も、リスクとしてはハイリスク・ハイリターンとなります。
こちらも始めるのであれば、少額から知識を重ねていくのが良いでしょう。
まとめ
貯金の金利が低い今、資産運用を始める人も増えていますが、資産運用にはメリットとデメリットがあります。
どの運用資産を始めようかと悩み、決めた後はすぐに申込みするのではなく、デメリットを知って理解しておくことが大切ですよ。
そして上手に運用するコツは【長期運用】!
長く続けることでプラスが生まれるタイミングがあるはずなので、気長に頑張りましょう。
ちなみにゼニエモンの母は結婚当時、銀行の定期預金の利回りが7%だったそうで「利子が増えたら良いタンスを買うわ。」と言い、それが実現してウキウキだったそうです。
そんな時代もあったんですね。