LINE Bank(ラインバンク)の設立が2022年に!その背景をゼニエモンが推測
大手通信アプリのLINE(ライン)とメガバンクのみずほ銀行が提携し、LINE Bank(ラインバンク)をスタートすると2018年に発表がありました。
その後、2020年4月に入ってから設立を2022年に延期することが発表されましたが、LINE Bank(ラインバンク)の設立はなぜ延期されたのでしょうか?
※2023年3月30日に中止が発表となりました。
その背景をゼニエモンなりに考えてみます。
また、同じLINEのサービスである「LINE Pay」や「LINEポケットマネー」の使い方について、以下の記事で詳しく説明しているので、気になる人はぜひチェックしてください。
LINE Bank(ラインバンク)が開業延期! 2022年の開業を目指し体制変更へ
LINE(ライン)は2021年2月22日に、みずほフィナンシャルグループと共同で2020年に開業予定だったインターネット銀行「LINE Bank(ラインバンク)」の開業が、2022年度中になると発表しました。
新型コロナウイルス感染拡大によるキャッシュレス化の拡大と、デジタルトランスファーメンション(DX)の加速で戦略の見直しを行った形です。
両社傘下のLINE Financial(ラインフィナンシャル)とみずほ銀行が、LINE Bank設立準備会社へ合計120億円の追加出資を実施し、2019年5月27日に設立されたLINE Bank設立準備会社の資本金および資本準備金が165億円として経営体制を変更。
これにより、開業に向けシステム開発のスピードアップを図ることになりました。
資本金および資本準備金を追加したということは、予測できないマイナスの事態など何かあったときのために、LINE Bank設立準備会社の体力を増やしたということになります。
LINE Bank(ラインバンク)とは?
LINE Bankは実店舗を展開せずに、LINEのアプリ上ですべての金融サービスが完結する『スマホ銀行』として存在を確立する予定です。
8,600万人の月間利用者がいるLINEと、みずほ銀行のノウハウを掛け合わせることで、今までの伝統的な銀行サービスにはないスマートフォンメインのサービスを提供するメインバンクを目指しています。
「5年後の当たり前が何かを考え、新しい金融サービスを作っていきたい」と言っていたLINE株式会社の代表取締役社長出澤氏の思いが形になるのかが注目されています。
ゼニエモンが思う今回の背景
みなさん、思い出してみてください。
2001年に登場したインターネット銀行「イーバンク銀行(2010年に楽天銀行へ商号変更)」も実店舗を持たない銀行としてスタートし、最初は「ネット銀行ってどうなんだろう?」なんて思っていませんでしたか?
実店舗もないし、自社ATMもなく使えるのはゆうちょ銀行とセブン銀行、E-net、ローソン銀行と言ったコンビニATMだったことから「不便そう」というイメージも。
ゼニエモンも2008年頃にイーバンク銀行の口座を持ち、イーバンク銀行に入ったお金をゆうちょ銀行へネットを通じて振込んでいたのですが、どうしても振込までに時間がかかるのですぐに使いたいときは不便だった印象があります。
しかしながら、ネット銀行と大手ECサイトのタッグで、BIG・toto・馬券が買える、定期預金は金利を高く設定、証券口座と連動、楽天ポイント付与など、今までにないサービスを次々と展開しイーバンク銀行は顧客を獲得していきます。
そして今や10,295千口座数(※)を誇り、インターネット銀行の口座数は2位のイオン銀行を大きく引き離してトップになるほどの成長ぶりです。
イーバンク銀行が設立された2001年も楽天銀行となった2010年のも、誰もがここまで大きくなるとは想像できなかったのではないでしょうか。
その結果もあり、ネット銀行は需要があるし、今はスマホが主流。
今後はスマホひとつでできる銀行があったらいいのではという考えから生まれたのが、LINE×銀行だったんです。
そこでLINEとみずほ銀行もお互いのメリットを確認し合い、手を組むことに。
要は、LINEが持っている8,600万人のユーザーとの接点やLINE Pay決済からネットを通じたビジネスでチャンスをつかみたいみずほ銀行、新規参入が難しく法的規制が厳しい銀行のノウハウをみずほ銀行から得たいLINEの両方の考えがメリットとなって結びついたことで、『今までにはないスマホ銀行を作ろう』となったのではないだろうかいうことです。
実店舗ありきの銀行が当たり前だった中、実店舗を持たないイーバンク銀行が登場したように、固定電話が当たり前の世代から、携帯電話へ、そして光とスマホ世代に変わってきたように、銀行も経営やサービスを変える時代になってきたのではないかとゼニエモンは思うわけです。
LINE Bankができることによって私達(利用者)にどのような影響が出るの?
実店舗へ行くよりも、近くのコンビニATMを使ったり、ネットバンキングを利用して支払ったりする人も増えてきて便利になっていますが、LINE Bankが参入したことによりそれらよりもより利便性が高い『手のひらで完結する銀行(金融)サービス』が登場すると予想できます。
みずほ銀行は、ソフトバンクと共同出資で日本初となるAIスコアに応じて融資や特典が得られるJ.Score(ジェイスコア)を設立、LINEはスマホのおサイフサービスとしてモバイル送金や決済ができるLINEPay(ラインペイ)を展開しています。
どちらのサービスも利用者が多く、急成長している印象があるので、そのふたつが組み合わさったら『使いたい』と思えるサービスが出てくるのは間違いないかとゼニエモンは思います。
宝くじはもっと買いやすくなるかもしないですね。例えば宝くじ購入するとアプリに番号が送られてくるとか。
例えば日本より先に海外でサービスを開始したLINE BKでは、LINE上で振込・預入・ローンの申込・デビットカードの申込・決済が可能になっています。
・預金口座(電子明細の自動送付、割り勘機能、振込依頼、カシコン銀行ATMでのカードレスな現金引出などの機能がある貯金口座)
・特別金利口座(年利が最大で1.5%となる預金口座)
・デビットカード(オンラインデビットカード、デビットカード、Credit LINE機能付きデビットカード)
・Credit Line(個人向けローン)
※全てカシコン銀行による運営
海外では年利が最大1.5%と大きくなっていますが、日本の場合はこれほど大きくならないと思います。でもLINEポケットマネーのローンは海外と同じで継続になるでしょうね。
今は非接触型が一般的になってきているので、キャッシュカードもアプリ内となり現金が必要な時はスマホで引き出して、LINEPay(ラインペイ)ならチャージで完了でしょう。
スマホ銀行ですから、LINEユーザーにとって利便性が高いことは間違いないでしょう。
金融界隈でどのような動きが予想されるのか
LINE Bankの報道を受けたとき、現在も議論されている給与デジタル払いが一歩進むのかなと思いました。
今は給与というのは通貨で支払うことが義務付けられていますが、LINE Bankの利用者が増え、拡大していくことでスマホ銀行をメインバンクとして、希望により電子マネー払いも出てくるのかなと予想はできます。
いくらPayをはじめ電子マネーが普及しても、給与の振込先は銀行で通貨や紙幣。つまり銀行を利用しなければなりません。
そして銀行に振込まれた給料をスマホや電子マネーに入金するという流れが普通だったので、銀行口座は絶対に必要なものでした。
でもスマホ銀行となり、LINEPayがもっと一般的になってくるとLINEPayで給与振り込みもあるかもしれません。そしてそのままスマホ決済ができるように。
銀行に新規参入は難しいことであっても、掲げている目標が手のひらのスマホで完結であれば「こんなことができるなんて便利な世の中になったな」という新サービスは出てくるでしょう。
ネット銀行も拡大しており、今はスマホを持っているのが当たり前の時代になっているのでスマホ銀行も最初は苦戦でも5年後、10年後には普及している可能性は十分にあるでしょう。